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  • 技術裏表・BIMobject Japan/メーカー デジタルマーケティング 海外展開に活路/ユーザー/BIMソフトからパーツを直接取得

     建材メーカーが提供するBIMパーツ(3次元デジタルレプリカ)のライブラリーをグローバル展開しているBIMobject(スウェーデン)が、日本での事業を7月から本格化させた。野原ホールディングスが共同出資した日本法人BIMobject Japan(東京都新宿区)の東政宏社長は「日本におけるBIMの発展に貢献するとともに、建材メーカーのマーケティングツールとして国内はもちろん海外展開の窓口に活用してほしい」と意気込む。 BIMobjectは、メーカー各社の製品データをクラウド上のライブラリーに集積し、設計者や施工者に無償提供するデジタルプラットフォームを6年前から展開している。ライブラリーには1200社を超えるグローバル企業の製品データを収録し、87万人のユーザーが利用する世界最大級のBIMプラットフォームとなる。

     

     2017年12月に日本法人を設立してからシステムを日本市場にローカライズするに当たり、東社長は「半年間をかけてウェブサイトの日本語化、デジタルマーケティング手法の解説本の翻訳、セミナーの開催などを行い、準備を進めてきた。メーカー、ユーザーともに徐々に加入者が増えている」と語る。

     

    無償でさまざまな製品データを利用

     

     同社はBIMobjectクラウドを介してユーザーとメーカーをつなぎ、双方にメリットを提供する。ライブラリーと『Revit』『AUTOCAD』『ARCHICAD』『VECTORWORKS』など主要BIMソフトが連携し、ユーザーは利用するソフトからダイレクトにパーツを取得できる。「画面上にBIMobjectのバーが表示され、設計者はアイデアが生まれた時に、別のソフトを開くことなく直接パーツをダウンロードできる」と効果を語る。

     

     ライブラリーにはサッシや窓、ドアなどの建材からテレビやコップなど身の回りの製品、土木関係まで多様なパーツをそろえ、ワンストップで提供する。「将来的にはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、3次元スキャナーのデータなどを幅広く扱う予定だ。オーナーのオリジナル製品をそろえたライブラリーの製作も可能だ」と幅広いニーズに応える。

     

     ユーザー数はこの半年間だけでも世界で20万人増えるなどBIM人口の増加を裏付ける。「欧米に比べてまだまだ少ないが、建設投資額が世界3位の日本は大きなポテンシャルを秘める。今後3年間で100メーカーの登録と3万ユーザーを獲得する」のが目標だ。

     

    ダウンロード数からニーズの動向を把握

     

     メーカーには、製品パーツのダウンロード数を活用した“デジタルマーケティング”を提供する。

     

     メーカー側はパーツを有償で提供するのだが、設計者や施工者がダウンロードして活用すれば図面に織り込む流れが生まれる。製品ごとのダウンロード数も把握できる。「これまで営業マンは設計事務所やゼネコンなどに通って製品を提案していたが、製品カタログをBIMに置き換えることで見込み客やニーズの動向が見えるようになる。顧客の欲しいタイミングで製品を提案するなど営業手法を変革する」のがメリットだ。

     

     さらに、実際にパーツを提供している日本の建材メーカーは、海外市場の開拓に向けたマーケティングツールとして注目しているという。「東京オリンピック・パラリンピック以降の海外展開を視野に入れるメーカーは多い。ライブラリーは世界中で閲覧されるため、自社製品のグローバルなマーケティングが可能になる」と指摘する。

     

     BIMobjectは欧米、アジアなど日本を含め11カ国に拠点を構えるため、メーカーは拠点を持たないエリアでもマーケティングが可能だ。「まずはBIMでパーツを使ってもらい、その後実際の購入につなげてもらう。親会社である野原ホールディングスの商社機能も活用できる。日本の良い製品が海外展開するきっかけにしたい」と見据える。

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    掲載日: 2018年9月3日 | presented by 建設通信新聞

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