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【建設パーソンのカーライフ】建築家・松永 基は問う「建築もクルマも、そこに意図はあるか?」

【建設パーソンのカーライフ】建築家・松永 基は問う「建築もクルマも、そこに意図はあるか?」

ル・コルビュジェ、フランク・ロイド・ライト、黒川紀章――。これらの建築家に共通するのは“クルマ好き”であること。

「若者のクルマ離れ」と言われる昨今だけれど、クルマには単なる移動手段であることを超えた、不思議な魅力がある。

クルマは建設になにを与えるのか。建設はクルマにどう影響するのか。

この連載では、建設パーソンのカーライフと価値観に迫る。

建築家である前にクルマ好きだった

「電気自動車は面白くないんですもん。なぜかって、匂わないから」

電気自動車(EV)を大々的に売り出し中の某自動車メーカーのお膝元、横浜の事務所。エムズワークス一級建築士事務所主宰・松永 基さんはハハハと笑った。

建設パーソンである以前に、大のクルマ好きの松永さん。中学生の頃から自動車雑誌『モーターファン』を定期購読し、当時走っていた1960年代のクルマに夢中になる。

18歳で運転免許を取得してからは、家にあったマツダ・サバンナRX-3を持ち出し、街や峠道に走りに行っていた。いわく「足回りが貧弱で、信号でアクセルを踏み込むとすぐにスピン。腕が鍛えられるクルマでしたね」。それからはトヨタ・カリーナやトヨタ・スターレットなどを乗り継ぎ、憧れのホンダS600を手に入れる。

「エスは当時、40万ぐらいで買って、その日に倉庫でバラバラにしてました」。ボディの全塗装や軽整備は、自分でする。そして仕事から帰ってクルマいじりに没頭し、仲間からの誘いにあわててクルマを最低限組み直して走りに行く――「クルマを駆る」ことが若者のあいだで熱狂の対象だった時代の話だ。

それから彼は、建築家としてのキャリアを進めると同時に、ヨーロッパのクルマへと傾倒していく。フォルクスワーゲン・ゴルフ、オペル・カデット、フィアット・ウーノ、プジョー205、シトロエンBX……共通するのは、「デザイナーの明確な意図を感じさせるクルマ」だ。

フォルクスワーゲン・ゴルフI。松永さんが乗っていたのはゴルフⅡ。(写真/Volkswagen

いま所有するシトロエンBX。(写真/Citroën)

「初代ゴルフやウーノは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手がけているし、カデットは日本人デザイナーの先駆けである児玉英雄さんによるもの。いま乗っているシトロエンBXはベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニの作品です。

クルマにしろ、建築にしろ、世の中にあるものは誰かが意図して形や色を決めています。『これをつくった人は、なにを考えていたのだろう?』と考えたほうが楽しいですよね。ぼく自身もつくり手の意図を感じられるものが好きだし、それを感じられる建築を、自分でもつくっていきたい」

そんな松永さんは9年前、イタリア老舗メーカーの2ドアクーペに出会った。

松永さんはこの美しいルーフラインに惚れ込んでいるという。

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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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