建設の匠
Powered by
建設転職ナビ
メニュー
メニュー閉じる
タテコレ
1/10
  • 日生劇場内部。曲線で構成された有機的なデザインだ。
  • 照明を落とせば、いっそう幻想的な雰囲気に。
  • 神は細部に宿る。
  • 直線基調の外観。これを見て有機的な劇場内部を想起する者はいまい。
  • 幾何学模様が組み合わされた照明(アルミ製)や、大理石を使用した床は重厚感が漂う。
  • 日本のガラス工芸界におけるパイオニア的存在、岩田藤七のガラス工芸作品「コロラート」。
  • 日本生命日比谷ビル夜景。背後にニョキッとそびえ立つは東京ミッドタウン日比谷だ。

日本生命日比谷ビル(日生劇場)コレクション

「ギャップ萌え」。

2018年3月に東京ミッドタウン日比谷がオープンして盛り上がる日比谷界隈において、その言葉がもっともふさわしい建築物は、断然、この日生劇場ではないだろうか?

直線を基調とした重厚な外観を横目に玄関ホールに入ると、足元の大理石モザイク(長谷川路可作)に目を奪われる。さらに進めば、幾何学模様の天井照明デザイン、すみずみまでていねいにデザインされた螺旋階段や細部の意匠、そして岩田藤七が生み出したガラス工芸壁画作品「コロラート」が、観劇に訪れた客の精神を日常から切り離し、異空間にいざなっていく。

劇場の中に足を踏み入れれば、これまでとは一転、壁も天井もすべて曲面で構成されている。壁面はブルーやレッド、ピンク、ホワイトにゴールドまで、さまざまな色のガラスタイルで彩られ、天井には2万枚というアコヤ貝が埋め込まれている。

まるで生き物の胎内のような有機的な空間。観衆は、ここで夢のようなひとときに浸るのである。

この意外性あふれる日生劇場は、日本生命日比谷ビルの内部にある。設計は村野藤吾氏。大阪新歌舞伎座(2015年解体)や関西大学校舎、全国の官庁舎やホテルなどを手がけ、大阪を拠点として活動してきた建築家だ。

丹下健三や前川國男などのモダニズム建築家とは一線を画したかのようなアウトプット群に一貫性を見出すことは難しいが、この日生劇場のギャップに衝撃を受けた後では、そんな分類などどうでもよくなってくる。

村野に「考えるな、感じろ」と言われているかのようだ。

そんな日本生命日比谷ビルは、東京ミッドタウン日比谷と帝国ホテルという新旧の個性的な建築物に挟まれながらも、変わらぬ存在感を放ち続けている。

SPOT INFORMATION
日本生命日比谷ビル(日生劇場)
所在地
東京都千代田区有楽町1丁目1−1
カテゴリ
高層ビル
用途
オフィス / スポーツ・レジャー / 文化・研究施設
状態
null
階数
地上8階・地下5階
改築
2016年6月
延床面積
42,878㎡
建築面積
3,549.13㎡
着工年月
1959年㋆
竣工年月
1963年9月
関連企業
発注者(事業主)
日本生命保険相互会社
設計者
村野・森建築事務所
施工者
大林組
技術・工法
構造
鉄骨鉄筋コンクリート造
規模
地上8階・地下5階建
受賞歴
建築学会賞
35.673359,139.758850
WRITER
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
建設転職ナビ