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タテコレ
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  • 西新宿の闇に浮かび上がる繭型ビルには、若者たちの夢が満ち満ちている。
  • 白いアルミパネルとガラスに貼られた白い特殊フィルムが幾何学模様を編み出している。
  • 壁面は天に向かって美しい曲線を描いていく。(写真/PIXTA)
  • 隣の小さな球体は、ファッションショーの開催可能なホールだ。
  • 西新宿一丁目は、オフィス街だったり飲み屋街だったりとさまざまな顔がある。そんな中でも異彩を放つ。(写真/PIXTA)

【タテコレ】モード学園コクーンタワー・コレクション【西新宿に降臨!アバンギャルド繭】

新宿駅西口を出ると、繭(まゆ)がある。

「なにいってんだこいつ」と即座にブラウザを閉じないでほしいが、もちろんモスラが来襲して大人になる前にひと休みしている……と荒唐無稽なことを言いたいわけでもない。“繭”のカタチで、“繭”を名に冠するビルが実在するのだ。どうか信じてほしい。

君の名は……ならぬ繭の名は、モード学園コクーンタワー。写真をご覧いただければ納得いくはずだ。「ああ、たしかに繭だわ」と。

ビルまみれの西新宿でも異彩を放つビル形状は、同じく西新宿にある東京都庁舎を手がけた丹下都市建築設計によるものである。東京都から1,370%の容積率緩和を特別に認められ、高さ204mと、世界有数の高層教育ビルが実現したのだ。

しかし、素朴な疑問も浮かぶ。なぜ、“繭”でなければいけないのか?

それは学生たちが社会に羽ばたく前の学び舎として、繭の形状がふさわしいと考えられたからだ。また発注者が服飾デザインにルーツを持つ教育機関ゆえに、生糸の源である繭に大きな意味があった。だからコクーンタワーのカタチには必然性がある。必然性のある美しさが、世界の優れた高層建築に贈られる「エンポリススカイスクレーパー賞」を受賞したのも頷ける話だ。

とはいえ、ただの四角いビルにすれば施工も楽なはず。しかし、各階の高さも、階段1段の高さも微妙に違っても“繭”にこだわったため、施工には大変な苦労を伴ったそうだ。また形状的にはどうしても不安定そうに見えるが、耐震構造はコンクリート充填鋼管柱を用いたラーメン・フレームを配置したほか、中層部のコアにオイルダンパーを採用。竣工から3年後に発生した東日本大震災でも、ほとんど揺れなかったという。

独創的なフォルムと万全の構造を誇る前衛的なビルは、きょうも夢の実現に燃える学生たちの情熱を、繭のようにやわらかに包み込んでいる。

SPOT INFORMATION
モード学園コクーンタワー
所在地
東京都新宿区西新宿一丁目7番3
カテゴリ
高層ビル
用途
オフィス / 教育施設
階数
地上50階・塔屋2階・地下4階
駐車場台数
160台
敷地面積
5,172.27㎡
延床面積
80,903.43㎡
建築面積
3,509.86㎡
着工年月
2006年5月
竣工年月
2008年10月
関連企業
発注者(事業主)
学校法人日本教育財団
設計者
株式会社丹下都市建築設計
構造設計者
オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
施工者
清水建設株式会社
技術・工法
構造
鉄骨造(鉄筋コンクリート造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
規模
地上50階・塔屋2階・地下4階
高さ
204m
日本、〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目7−3
WRITER
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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