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タテコレ
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  • フランスから寄贈返還された「松方コレクション」を収めるために建てられたのが国立西洋美術館だ。
  • 2016年に「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の構成資産の一要素となった。
  • 1996年からの免震工事の際、老朽化していた外部階段は撤去→復原されている。
  • かつては1階のガラスの壁はなかった。竣工当時からいくつも変更・改修を施されている。
  • 緑色の小石を貼り付けたおかげで、さまざまな表情を見せる壁面。
  • 柱の中心から中心までの長さは、モデュロール(黄金比と人体のサイズを基にした寸法)で決められている。
  • 本館前庭に設置されるロダンの「地獄の門」も、竹中工務店が免震レトロフィット工法を施した。
  • 「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」がこの3月から開催される。ぜひ世界遺産と共に堪能していただきたい

国立西洋美術館本館コレクション【国内初採用の技術で守られた世界遺産】

「世界遺産」「近代建築の巨匠、ル・コルビュジエの日本唯一の作品」「松方コレクションの返還先」「前川國男、板倉準三、吉阪隆正らコルビュジエの弟子による設計」……。国立西洋美術館本館を語るにあたり、正直、キーワードが多すぎて困った。

ここはいったん、頭の中を空にして国立西洋美術館本館を見てみたい。

直線のみで構成された、クリーンな外観。目を惹くのは、柱で持ち上げられた「ピロティ」という空間だ。ル・コルビュジエが生み出したこの手法は、国立西洋美術館本館を特徴づける最大のポイントである。

ここで取り上げたいのは、この名建築がいま姿のままこの世に存在するのは、日本ではじめて採用された「免震レトロフィット工法」のおかげだということ。日本初の事例として1996年から1998年にかけて国土交通省が行った工事により(施工は清水建設)、計49台の免震装置が本館地下に設置されたのだ。構造設計面では、すべての構造部材を 3Dモデル化して安全性を確認したのだとか。

阪神大震災の教訓を基に行われたこの工事は、それから13年後に起きた東日本大震災の大きな揺れにもじゅうぶんに効いた。仮に免震装置を使わないとしたら、このピロティの柱間を壁でつながなければならない。それはきっと相当に野暮である。当然、美しさや特徴は大幅に損なわれ、2016年の世界遺産登録もきっと難しかったことだろう。前例のない技術の活用を決めた英断と実現させた匠の技に、心より感服する。

建物自体が実存しなければ、わたしたちは名建築について語らうことさえむずかしい。その意味で、名建築を護る技術の価値はきわめて高い。国立西洋美術館本館は、それを再認識させてくれる好例なのである。

【2020年1月27日追記】

この国立西洋美術館において2020年3月3日〜6月14日、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が開催される。ロンドン・ナショナル・ギャラリーが誇るフィルメールやゴッホなどの傑作絵画61点がはじめて海を渡り、東京・上野にやってくるのだ(すべて日本初公開作品)。

この展覧会の無料観覧券を、6組12名さまにプレゼント。

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※DMでお伝えした期日までに返信をいただけなかった場合は、当選無効とさせていただきます。

SPOT INFORMATION
国立西洋美術館

所在地
東京都台東区上野公園7番7号
用途
文化・研究施設
階数
地上3階、地下1階、塔屋1階
文化財指定日
2007年
敷地面積
9,287㎡
延床面積
4,399㎡
建築面積
1,587㎡
着工年月
1958年3月
竣工年月
1959年5月
関連企業
設計者
基本設計:ル・コルビュジェ 実施設計:前川國男 / 坂倉準三 / 吉阪隆正
施工者
清水建設株式会社
管理運営
独立行政法人国立美術館
技術・工法
構造
鉄筋コンクリート造
東京都台東区上野公園7番7号
WRITER
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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