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タテコレ
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  • メインエントランスより国立京都国際会館を望む。
  • 「ウルトラマン」の劇中で「地球防衛軍の六甲山防衛センター」として登場したほどの要塞感。(写真/国立京都国際会館)
  • 折鶴のような照明器具と斜めに建てられた柱。直線しかないのに単調じゃない。
  • 瓦葺の社寺建築のような屋根。
  • 日本の伝統的な建築を思い出さずにはいられないディテール。
  • 国立京都国際会館空撮。メイン棟、アネックスホール、イベントホール、ニューホールからなる。(写真/PIXTA)
  • 宝ヶ池ごしに望む国立京都国際会館。軍艦のようにも見える。(写真/PIXTA)
  • V字の柱が特徴的なメインロビー。(写真/国立京都国際会館)
  • 剣持 勇による独創的なデザインの椅子が目を惹く。(写真/国立京都国際会館)
  • 約2,000人を収容する大会議室。椅子と机は藤森健次デザイン。(写真/国立京都国際会館)

【タテコレ】国立京都国際会館コレクション【日本初の国際会議場はモダニズムの結晶体】

京都の市営地下鉄烏丸線の最北端にある国際会館駅。今回ご紹介する「国立京都国際会館」は、まさに駅名のとおり、宝ヶ池のほとりのこの場所に位置する。もっとも、竣工は1966年で、駅ができたのはずいぶん後(1997年)のことなのだが。

国立京都国際会館は、2015年にパリ協定が採決されるまで、気候変動に関する国際的枠組みの議定書だった「京都議定書」が1997年に採択された施設でもある。

去る1963年、「主要な国際会議を積極的にわが国に招致しよう、ニューヨークの国連ビルやジュネーブのパレ・デ・ナシオンに匹敵する国際会議場をつくろう」と国による公開コンペが行われた。195点の応募作の中から選ばれたのは、建築家・大谷幸夫の設計案だった。

大谷は東京都庁舎などを手がけた丹下健三に師事した建築家だ。彼は「日本初の国際会議場をつくる」という世間の期待に応え、台形・逆台形を組み合わせたモダニズム建築の傑作を仕上げた。見た人は日本古来の建築である白川郷にある合掌造りの民家、あるいは神社の社殿を想起するはず――。

この建築は、インテリアがまたすばらしい。外観や使用目的から受ける堅くマッチョな印象を大きく裏切り、インテリアは苔が敷き詰められたような床など、やさしくあたたかい彩りに満ちている。剣持 勇の手による家具はシンプルかつモダンで、いずれも見ていて飽きることがない。

惜しむらくは、要人が集まる施設の性格上、おいそれと簡単に見学できないことである。見学日は月に2日ほど設けられているが、事前申し込み制であり、月曜日や火曜日だったりして、京都市民以外にはなかなかハードルが高い。

だからといって悲しむ必要はない。今年の4月に刊行された『特薦いいビル 国立京都国際会館(別冊月刊ビル)』という写真集には、うっとりするほど優美なインテリアや調度品の数々が収められている。ぜひ書店で手に取って、名建築の雰囲気を満喫していただきたい。

SPOT INFORMATION
国立京都国際会館

所在地
京都府京都市左京区岩倉大鷺町422番地
用途
文化・研究施設
階数
地下1階、地上6階、塔屋2階(本館)
エレベーター数
12基
敷地面積
156,096m²
延床面積
51,170m²
建築面積
24,060m² (ニューホールを含む)
着工年月
1964年1月
竣工年月
1966年3月
関連企業
発注者(事業主)
建設省近畿地方建設局
設計者
大谷幸夫
施工者
大成建設株式会社(ニューホールの設計は日建設計、施工は大林組)
技術・工法
構造
鉄骨コンクリート造/一部鉄筋コンクリート造
規模
地下1階、地上6階、塔屋2階(本館)
京都府京都市左京区岩倉大鷺町422番地
WRITER
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。建設シロウトですがよろしくお願いします。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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