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萩原雅紀の「ダム」道。【02】ダムの魅力を本気出して分類してみた

萩原雅紀の「ダム」道。【02】ダムの魅力を本気出して分類してみた

目的で雰囲気が違う!?ダムの事業者

最後にもうひとつ、ダムを見分ける上で面白いポイントとして事業者の違いがある。

事業者別に見たダムの種類としては、大きく3つに分けられる。ひとつは治水系である。管理しているのは国土交通省や水資源機構、そして都道府県単位の自治体が主で、ダムの目的としては洪水を防ぐことを第一に、生活用水などの確保や発電を行なっているダムも多い。
ふたつめは利水系。管理しているのは農水省、そして市町村単位の自治体や土地改良区などが多いけれど、水資源機構や都道府県単位の自治体のものもある。メインの目的は農業用水や上水道用水、工業用水の供給だ。

東京都水道局が管理する巨大ダム(小河内ダム/東京都)

3つめは電力系。電力会社が管理しているのがほとんどだけど、中には自治体や民間企業が運営を行なっているダムもある。もちろん目的は水力発電。
大まかな違いとしては、治水系のダムは複数の目的を持っている多目的ダムが多く、したがって放流設備もさまざまなタイプを装備した豪華な堤体が目立つ。いっぽう利水系は基本的に各種用水の確保と供給なので、シンプルな堤体に用水補給用の設備がひとつ、という場合が多い。さらに電力系の堤体は発電所に水を送る取水口のほか、放流設備が大雨の際に使われる1種類のみという、これもストイックな堤体がほとんど。

人に例えるなら、治水系ダムはさまざまな食材や調理器具を駆使してカラフルなフレンチを作るレストランシェフ、利水系ダムはこだわりのコーヒーや紅茶を黙々と淹れる物静かな喫茶店のマスター、そして電力系ダムはひと組の包丁とまな板で勝負する和食の板さん、というイメージだ(私の勝手な印象です)。

というわけで、ダムでも見方によってさまざまな魅力を発見することができる。ぜひ実際に現地に出かけて、自分の好きなポイントを探してみてほしい。

 
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WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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