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萩原雅紀の「ダム」道。【03】冬休みまでに読みたい段位別ダム見学ガイド

萩原雅紀の「ダム」道。【03】冬休みまでに読みたい段位別ダム見学ガイド

ダムは実際に見てこそ!

土木構造物、巨大インフラ施設の魅力は実際に見てこそ分かると思っている。その中でも特にダムは、目の前で対峙することで、巨大さや大量の水を貯めているという緊張感を肌で感じることができるのだ。本やDVD、インターネットで家に居ながらにして見ることもできるけれど、ダムが気になったらぜひ実際に見に行ってほしい。

でも写真集やDVDも予習としてぜひ買ってください

とは言え、いきなり行けと言われても困ると思う。どこにどんなダムがあるかも分からないし、適当に行って立ち入り禁止だったり、たどり着くまでがとんでもない酷道だったり、資料館はおろか看板すらなくて面白くなかったら、もういいやと思ってしまうかも知れない。

そこで今回は、どうやってダムを探すのか、そしてどんなダムに行けばいいのか、という2点を、ダムに行くのが初めての初心者から毎週末ダムに行っているという上級者まで、レベルに応じてアドバイスしたいと思う。ぜひぜひ参考にして、楽しいダムめぐりをしてほしい。

ダムの探しかた

いったいどんなダムがどこにあるのか。ダムに行ってみよう、と思っても最初につまづくのがここだと思う(いますごくニッチな話をしている自覚はあります)。ワシらが若い頃は…、なんて話はしたくないけれど、これからダムめぐりを始めよう、という方々にとっていまはとても良い時代です。なぜなら簡単に好みのダムを見つける方法があるから。

神サービス!その名もDamMaps

初心者がダムを探すのにまず見るべきは地図。しかもネットで。さらに言えばその名も「DamMaps」を見てほしい。

DamMaps

「DamMaps」はその名の通り、ダムの地図だ。開いてみると、おなじみのGoogleマップの上にダムの形をしたオレンジ色のアイコンが散らばっているのが見えると思う。これがダムの位置を表している。意外とたくさんある、と思うのではないだろうか。それもそのはず、日本にある高さ15m以上の、河川法上でダムと定義されているすべてが掲載されているのだ。その数およそ2900基(ダムは1基、2基と数えます)。

DamMaps

そして、アイコンの上に書かれたGとかAとかRとかアルファベット、これはダムの型式を表している。そのほかにもGAとかHGとかあってダムの型式も気になるけれど、スペースの都合で型式の解説はまた次回以降に譲るとして、とにかくこれだけでダムの位置と型式が分かってしまう。さらにアイコンの中に細い線が何本か描かれていて、これはダムの役割を表しているのだけど、これも長くなるで今回は省略。さらに、アイコンをクリックすると小さなウインドウが開き、ダムの所在地から河川名から目的、スペック、事業者、ダムカードの有無などダムめぐりに必要な情報がほぼ見ることができてしまう。

そして、これがなんと無料。しかも作ったのはとあるダム好きの一般人。というわけで、「DamMaps」は初心者でも上級者でも、すべてのダムに行く人必見の神サービスなのだ。本職のダム関係者も愛用していると言う噂の「DamMaps」、出かける前にチェックしてほしい。

ダム界を根本から変えたダム便覧

「DamMaps」も良いけれど、たとえば高さ順とか貯水量順などを知りたい、ダムの名前で検索したい、ダムのニュースを知りたい、海外のダム情報を見たい、などと、初心者から一歩進んだ中級ダム好きが(いますごくニッチな話をしている自覚はあります)ぜひ見ておきたいのが、一般財団法人日本ダム協会が運営する「ダム便覧」だ。

ダム便覧 

「ダム便覧」は日本のダムについて、ダム好きが必要な情報はほぼすべて載っていると言っても過言ではないデータベースで、各ダムの名前やスペックはもちろん、用語辞典やニュースなども網羅したポータルサイトだ。

ダム便覧

一般のダム好きからの投稿も積極的に受け付けているのが特徴で、ダム関係者とダム好きがみんなで作っているサイトだと言える。実はこの前に紹介した「DamMaps」の位置情報もすべて「ダム便覧」のものを参照しているなど、このサイトの登場がダム好きの増加と行動範囲の拡大に大きな役割を果たしたと言っても過言ではないのだ。

当初から増築を繰り返しているサイトは少し煩雑だし、文字や数字、専門的な話も多くて初心者には少し取っつきにくいかも知れないけれど、ダム好きになった人は必ず誰もが通るサイトである。

やっぱり頼りになる地図

パソコンがないとかアクセスしている時間がもったいない、というベテランダム好きは普通の地図を開こう。

暇なときはいつも地図を開いて脳内ダムめぐりしている

10万分の1の道路地図がちょうど良いと思う。適当なページを開いて、水色の水たまりと「ダム」という表記を探そう。一般の地図の場合、あまりダムの情報に詳しくないので「ダム」や「貯水池」と書かれていても15m未満の堰だったり砂防堰堤だったりする場合もあるけれど、そういうところもベテランなら楽しめるはずだ。

雰囲気でダムを感じ取る特殊能力者

さらに、そういった情報がなくてもいつの間にかダムにたどり着けてしまう、ダム達人というような存在がいる。

このような人々は、何気なく車を山道の方へ向けて走らせ、「妙に水量の少ない大きな川(コントロールされている)」、「ところどころ極端に広い場所がある狭い山道(ダム建設の際にトラックがすれ違えるように広げられた)」、「水力発電所の建物(上流に取水する施設がある)」、「川沿いに建てられた放流注意の看板(上流にダムがある)」といった、ふつうの人が気付かないような「ダムの匂い」を嗅ぎ取るのだ。

ふつうは気づかないこの看板を見つけたらダムを見つけたも同じ

かつてはこういった特殊能力が持てはやされたが、「DamMaps」や「ダム便覧」とスマートフォン、カーナビなどがあれば誰でもダムに行けるので、身に付けなくてもまったく問題はない。

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WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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