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萩原雅紀の「ダム」道。【04】バージョンアップで復活!不死鳥のダムたち

萩原雅紀の「ダム」道。【04】バージョンアップで復活!不死鳥のダムたち

本体を巨大化して強大な敵に挑む!

3つめの方法はダムの本体の巨大化である。敵が巨大化したからこちらも変身したり合体してロボットになったりして巨大化、というのと同じ流れである。台風が強力になったり温暖化したり、水を供給する地域が広がったり、といった環境の変化にダムを合わせる、ということだ。

設計時の想定を超える大雨や渇水に見舞われ、それに対応するためにさらなる貯水容量が必要になったとき、まず考えられるのは近くに別のダムを造るという方法だ。けれど、いい地形がなかったり予算などの都合でそれが難しいこともある。それならいまあるダムを大きくして貯水量を増やすことができれば、買収する用地も少なくて済むし、工事も最小限で済むし良いことづくめなのだ(ただし、最初のダムを造ったときに湖畔に移転したのにもういちど移転しなければならない、という非常に気の毒な人が出る可能性はある)。

実は兵庫県の立ヶ畑ダムや千苅ダムなど、昭和初期から行われている歴史ある手法だ。もっと言うと満濃池(まんのういけ、香川県にある日本最大規模の灌漑用ため池)など、古くからあるため池はかさ上げを繰り返していまの大きさになったとも言える。

現在工事が行われているものでは桂沢ダムがある。北海道で最初に造られた多目的ダムの堤体にコンクリートを継ぎ足して12.4m高くし、貯水量を1.5倍に増やすのだ。

かさ上げ本体工事開始前の桂沢ダム。下流側にコンクリートを盛ってひとわまり大きくなる

温暖化で気象の振れ幅が大きくなったり、自然エネルギーへの回帰で水力発電が再注目されながら、新規にダムを造ることが難しいこれからは、いまあるダムを巨大化して能力を増強させる、という方法がもっと増えてくることになるのかも知れない。

 
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WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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