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萩原雅紀の「ダム」道。【11】新提案!「堤体の効率」で比べる真夏の最強ダム決定戦!
2019/08/09
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筆者:萩原 雅紀
目次
夏といえばダム! というわけで各地のダムを紹介したいところだけど、暑すぎて外に出るのは危険だ。
毎年7月下旬から8月上旬にかけて、国土交通省と林野庁が全国で「森と湖に親しむ旬間」というイベントを開催し、各地のダムで⾒学会などが⾏われるのだけど既に今年も⼤
そこで今回は、涼しい部屋の中でこれまでにないダムの可能性を探ってみたい。具体的には、一般的なダムのスペックを少し弄って新たな要素を算出し、比べてみるのだ。もしかしたら、お子さんの夏休みの自由研究のヒントになるかも知れない。
ダムのスペックといえば
一般的に、ダムを構成するスペックといえば、堤体の高さを表す「堤高」、幅を表す「堤頂長」、体積を表す「堤体積」、貯水池の容量を表す「総貯水容量」などだ。ダムカードの裏面に記載されたデータもほぼこれである(堤体積は記載なし)。

僕たちはダムカードで堤高、堤頂長などを知る
高さや幅、貯水容量などは単純にダムの大きさを見てとれる。しかし、それだけでは見えてこない要素もある。たとえば、総貯水容量が同じくらいでも堤高や堤頂長、型式がまったく違うダムもある。
つまり、同じ貯水容量なら堤体が小さい方が「効率が良い」と言えるのではないか。そこで、総貯水容量を堤体積で割って、単位体積あたりの貯水容量を比べてみるのはどうだろう。
言うなれば「堤体の貯水効率」である。

たとえば重力式コンクリートダムの五十里ダムと

ロックフィルダムの福地ダムは総貯水容量がほぼ同じ
WRITER

萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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