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萩原雅紀の「ダム」道。【11】新提案!「堤体の効率」で比べる真夏の最強ダム決定戦!

萩原雅紀の「ダム」道。【11】新提案!「堤体の効率」で比べる真夏の最強ダム決定戦!

堤体貯水効率を比べてみる

果たして、1立方メートル(以下 m³)あたりでもっとも大きな貯水容量を持っているダムはどこだろう。というわけで、目ぼしいダムをピックアップして、ひたすら総貯水容量を堤体積で割っていく。

まずは総貯水容量トップ10のダムを計算してみた。

1位 徳山ダム
総貯水容量6億6000万m³/堤体積1370万m³=48.18

2位 奥只見ダム
総貯水容量6億100万m³/堤体積165万8000m³=362.48

3位 田子倉ダム
総貯水容量4億9400万m³/堤体積195万m³=253.33

4位 夕張シューパロダム
総貯水容量4億2700万m³/堤体積94万m³=454.26

5位 御母衣ダム
総貯水容量3億7000万m³/堤体積795万m³=46.54

6位 九頭竜ダム
総貯水容量3億5300万m³/堤体積630万m³=56.03

7位 佐久間ダム
総貯水容量3億4300万m³/堤体積112万m³=306.25

8位 池原ダム
総貯水容量3億3837万m³/堤体積64万7000m³=522.99

9位 早明浦ダム
総貯水容量3億1600万m³/堤体積120万m³=263.33

10位 一ツ瀬ダム
総貯水容量2億6132万m³/堤体積55万5000m³=470.84

(参考)黒部ダム(富山)
総貯水容量1億9929万m³/堤体積158万2000m³=125.97

見たことない数字なのでいまいちピンと来ないかも知れないけれど、この数字は「堤体1m³あたりの貯水量」なので、大きい方が「貯水効率の良いダム」ということになる。

数字にバラつきがあるのは当然で、堤体の型式によって分母である体積がまったく変わってくるから。堤高、堤頂長が同じなら、アーチダムが体積が少なく、ロックフィルダムは大きくなる。だからこの比較はフィルダムにとって厳しい。

そんなデータに意味あるのか、という意見もあると思うけれど、それでも「できるだけ小さな堤体で大きな貯水容量」こそがダムの究極の目標だと思うので、気にせず比べていく。

総貯水容量6億6千万m³で日本一の徳山ダムだけど、堤体積も日本一のロックフィルダムなのでこの比較では分が悪く、なんと総貯水容量トップ10の中で堤体の貯水効率はブービーである。

まさかあの徳山ダムが陥落するなんて

6億1千万m³で僅差の2位である奥只見ダムは重力式コンクリートダム、堤体積は徳山ダムの約8分の1のため貯水効率では大差をつけてリードしている。意外なところでは夕張シューパロダムが(総貯水容量と比較すると)かなり堤体が小さく(それでも堤高110.6m、堤頂長390mある)、この中では重力式コンクリートダムでトップである。

巨大だけどスマートな堤体の真価を発揮

貯水容量の割にコンパクトな堤体だった夕張シューパロダム

夕張シューパロダムが建設される前、この地にあって現在は新しい貯水池に水没している大夕張ダムも、計算してみると436.0でほとんど効率に差がなかった。もともとダム建設に適した場所だということだろう。

効率は良かった、ただもう少し貯水容量が欲しかった大夕張ダム

 
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WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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