建設の匠
Powered by
建設転職ナビ
メニュー
メニュー閉じる
エンタメ

萩原雅紀の「ダム」道。【11】新提案!「堤体の効率」で比べる真夏の最強ダム決定戦!

萩原雅紀の「ダム」道。【11】新提案!「堤体の効率」で比べる真夏の最強ダム決定戦!

どこかに影の実力者が隠れていないか

おそらく雨竜第一ダムを超えるダムはないのではと思うけれど、ほかにも堤体積が小さいダムをピックアップしてみた。

たとえば栃木の川俣ダムは総貯水容量8700万m³、それでいてアーチダムで堤体積は14万7千m³と池原ダムの4分の1以下だ。そこで計算してみると、貯水効率は595.92。なんと池原ダムを抜いて暫定2位、アーチ式のトップに躍り出た。極薄のアーチダムだからこそ成せる技である。

極薄縦長アーチの川俣ダムが池原ダムの上に立った!

極薄のアーチダムと言えば思い出すのが山口県の佐々並川ダムである。手を触れたら切れそうな超極薄堤体。総貯水容量は2000万m³とそれほど大きくないけれど、堤体積はなんと3万1000m³。川俣ダムのさらに5分の1程度しかない。というわけで計算すると、648.39!  川俣ダムから暫定2位を奪い取った。しかも雨竜第一ダムにもだいぶ近い。

上から見ると日本刀の軌跡のような佐々並川ダム

佐々波川ダム、まさに堤体貯水効率の可視化のために生まれてきたようなダムである。

極小堤体と言えば、群馬県の相俣ダムを思い浮かべた人も多いだろう。堤高、堤頂長ともに100mを切る堤体の体積は6万3000m³と重力式では驚異的な小ささ。しかし、総貯水容量は2500万m³と佐々波川ダムより少し大きい程度で、堤体貯水効率396.83と期待したほどではなかった。とは言え奥只見ダムより上、と考えるとやはりあの場所もダム適地である。

奥只見ダムより(効率で)上の相俣ダム

総貯水容量のリストを眺めていて気になったのは宮崎県の岩瀬ダム。僕は15年くらい前に一度行ったことがあるだけで、全国的にも無名なダムだけど、総貯水容量5700万m³の割に堤体が非常にコンパクトだった印象があるのだ。と思って調べてみると堤高55.5m、堤頂長155mと非常にタイト。そして堤体積は9万8000m³。これは期待できる! と思いながら計算したところ、581.63。惜しい、川俣ダムにわずかに及ばず。それでも暫定で4位、重力式で最上位に食い込んできた。

暫定だけど重力式でもっとも効率良いかも知れない岩瀬ダム

 
1
2
3
4
5
 
WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
建設転職ナビ