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萩原雅紀の「ダム」道。【15】これが言えればダムマニア!なダム専門用語集

萩原雅紀の「ダム」道。【15】これが言えればダムマニア!なダム専門用語集

この連載、ダムのことを知らない初心者でも分かりやすく楽しんでもらえるようにと、これまでダムの基礎知識や専門用語などを極力使わずに進めてきた。しかし、見学に行ったとき、ダムカードをもらうとき、職員さんに質問するとき、ほかのダムマニアと会ったときなどに、多少なりとも専門用語を使えると楽しいと思う。

また、どの業界でも同じように、実際にプロの間で使われる専門用語と、マニアたちが生み出したファン用語があるので、TPOによって使い分けられれば一目置かれること間違いなしである。細かい意味なんて気にしない!  雰囲気でどんどん使っていこう。

そこで今回は、詳しくなくても覚えたい「使えるダム専門用語」を紹介したい。

ダム本体は「てぇたい」!

ドリルのように、単語をひとつひとつ並べて覚えても楽しくないので、ここではあなたがダム見学に来たと仮定して、歩き回りながら専門用語を解説していくことにする。ワールドカップを見ていたら知らないうちに全国民がラグビー用語を覚えていた、のと同じメソッドだ。

駐車場に車を停めたあなたは、まずはダムの本体を目にするだろう。

この「ダムの本体」を「堤体(ていたい)」という。これは型式や大きさを問わずどんなダムでも同じである。慣れてくると会話の中では「てーたい」「てぇたい」くらいの発音になってくる。「あそこは面白いてぇたいしてるよねー」といった塩梅だ。ちなみにどのへんが「面白い」かはいくつも堤体を見ればだんだん好みが出てくると思うので、そのあたりも楽しみにダムめぐりしてほしい。

川をせき止める巨大な塊、それがてぇたい

大部分が水面下だけど、この水門の下の部分もてーたい

素材がコンクリートでなくても堤体は堤体

型式はとりあえず基本の3型式

そして堤体にはいくつかの決まった型式があるのだけど、とりあえず「重力式(じゅうりょくしき)」「アーチ式」「フィル」の3つだけ覚えておけばほぼ間違いない。どっしりとしたコンクリートの塊感があるのが重力式、美しくカーブを描くコンクリートの壁がアーチ式、岩や土を積み上げた巨大な土手のようなのがフィルである。

これぞダム!というコンクリートの塊が重力式

自然界には存在しない美しいカーブを描くのがアーチ式

ここまで端正な石積みも自然界には存在しないフィルダム

ほかにもいくつか型式はあるけど少数で、たいていは上記の3つのどれかに当てはまる。英語とスペイン語と中国語さえ話せれば地球上の大部分の人と会話ができるのでOK、というマインドだ。

現在日本には6基しかないのでとりあえず覚えなくていいです(バットレス式)

稀に「アーチ式だ」と言ったら「いやこれは曲線重力式で……」などと言われることがあるかも知れないけれど、熱心なダム好きほどマイノリティである自覚が強く、「これだからニワカは」みたいにマウント取ってくる人はほぼいないので安心してほしい。その代わり「アーチ式」と「曲線重力式」と「重力式アーチ」の違いを嬉々として説明されることになるかも知れない。

正直自分は「どうして曲線にしてるのか」説明できる自信がない曲線重力式

外見だけでは曲線重力式との違いを説明できないかも知れない重力式アーチ

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WRITER
萩原 雅紀
萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。
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