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萩原雅紀の「ダム」道。【20】いまこそ盛り上がれ!ロックフィルダム・イン・ジャパン・フェス2020
2020/11/26
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筆者:萩原 雅紀
ロックフィルダムを見たことがあるだろうか。
ずっしりとした重力式や優雅なアーチ式、といったコンクリートダムと並べると、岩を積み上げて造られたロックフィルダムは「派手さ」という意味では一歩引くかもしれない。ダムを観に行った先で同じ大きさのコンクリートダムとロックフィルダムがあったら、僕の場合なんとなくコンクリートダムをメインディッシュにしてしまう(もちろんロックフィルがメインだ、という人もいるだろう)。

外観より中身で愛されるタイプ(阿木川ダム/岐阜県/水資源機構)
その名の通り岩を積み上げて造られているので、崩れないように必然的に堤体の斜面はなだらかになり、体積はコンクリートダムとは比較にならないほど大きくなる。実際に行って下から見上げると、同じくらいの大きさのコンクリートダムと比較して「高さ」はそれほど感じないけれど、天端の「遠さ」でとてつもない大きさを実感するという、コンクリートダムとは違う味わい方が楽しめる。

巨大ロックフィルダムの天端は高いというより遠くてびびる(奈良俣ダム/群馬県/水資源機構)
というわけで今回は、重力式、アーチ式と並ぶ「ダム型式御三家」のひとつ、ロックフィルダムを徹底的に掘り下げたい。
WRITER

萩原 雅紀
ダムライター、ダム写真家。1974年東京生まれ。ダムと名のつくものすべてを対象に、ライフワークとして「ダムめぐり」を続けている。これまで訪れたダムは国内外合わせて500基以上。毎年末に「日本ダムアワード」を主宰。ダムカードの発案にも携わる。著書に『ダム』『ダム2』(メディアファクトリー)、『ダムに行こう!』(学研プラス)等。