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秋本 佑の「建築を読書する」【02】建築設計事務所の本屋plateau booksは「ピカピカな店」をあえて目指さない

秋本 佑の「建築を読書する」【02】建築設計事務所の本屋plateau booksは「ピカピカな店」をあえて目指さない

いろいろな人が集う店に

本屋の経営というものは、専業は専業なりの、兼業は兼業なりの大変さがあるはず。兼業を選んだ中里さんは、「本屋さんだったり家具屋さんだったり、地方にはわざわざ行きたくなるような個性的なお店が多いような気がします。自分の店も、そんな空間にしたいと思いました」と店のあり方について語る。

店内に足を踏み入れると、空間の使い方に余裕があるのを感じる。中央に大きなテーブルがあり、その周りにゆったりと本棚が置かれている。多くの「東京の本屋」は、もう少し棚と棚の間を詰められているなど、限られたスペースを隅々まで使おうとしているイメージ。それとは対照的だ。

「専業でやろうと思うとこれよりタイトにして、扱う本の数も増やさなくてはならないと思います。そして、専業だとつい『あれが足りないんじゃないか』『これも足りないんじゃないか』と、あれこれと足したくなって、バランスを取るのがより難しくなってしまうように思うんですよね」

ゆとりのある空間(左端に写るのがテーブル。奥の柱の向こう側が建築事務所)

また、扱う本のジャンルが幅広いこと以外にも、面陳(=表紙を見せて棚に並べる方法)が多いのも印象深い。表紙が見えることで目が引き寄せられ、思わず手に取りたくなる。

この点について、中里さんは次のように説明してくれた。

建築本のコーナー。表紙に目が向きやすい

こちらは人文書のコーナー

「店には、いろいろな人に来てほしいと考えています。そのためには、いろいろなアプローチがある。難しい本ばかりを集めた本屋をつくったら、ある一定層の人には響くのでしょうが、それ以外の層にはまったく響きません。違うアプローチによって、興味がない人にもなにかしらの興味を持ってもらいたいんです」

現在は、建築設計事務所の業務との兼ね合いもあり、金曜日~日曜日のみの営業。この営業形態でしばらく続け、しっかりと集客ができるようになった段階で、あらためて考えたいという。

また、「コミュニティづくり」も模索したいと語る中里さん。例えば、店内の大きなテーブルを活かしたイベントだ。「人と人とのつながり」を生むために、ゆっくりと話をしながら楽しめるイベントにしたいと考えている。もちろん建築設計事務所ならではの、建築に関係したイベントも視野に入れているようだ。

あなたも建築本をお探しの折に、思いがけない本との出会いを愉しんでみてはいかがだろうか?

 

【店舗情報】

plateau books

〒112-0001 東京都文京区白山5-1-15 ラークヒルズ文京白山 2階
(都営三田線 白山駅 A1出口より徒歩5分)

Webサイト https://plateau-books.com/

Twitter https://twitter.com/plateau_books

 
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WRITER
秋本 佑
秋本 佑
本(読書)大好きライター。小学生の頃、江戸東京たてもの園で前川國男邸を見て以来の建築好き。建築の専門教育は受けていないものの、「建築ファン」のひとりとして、note(https://note.mu/task_akimoto/m/md67488f9638c)に記事を書くなど。
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