建設の匠
Powered by
建設転職ナビ
メニュー
メニュー閉じる
エンタメ

秋本 佑の「建築を読書する」【04】音楽家夫妻の想いがいまも息づく古民家ブックカフェ・松庵文庫

秋本 佑の「建築を読書する」【04】音楽家夫妻の想いがいまも息づく古民家ブックカフェ・松庵文庫

本屋や図書館、ブックカフェなど「本」や「読書」にまつわる建築は、わたしたちのまわりに多く存在する。つい「その読書空間にはどんな本が並んでいるか」で空間を解釈しがちだが、そうではなく、「どんな建築がその読書空間を形成しているのか」に焦点を当てると、新たに見えてくるものがあるのではないか――?

この連載ではそうした観点から、本(読書)を収める場所としての建築、空間を見つめていく。

第4回は、西荻窪駅から徒歩10分ほど、住宅街の中に位置するブックカフェ&ギャラリー「松庵文庫」を取り上げる。取り壊されようとしていた築80年以上の古民家を丸々1棟改装し、2013年7月にオープンした同店。お店が出来てから6年ほど経った今、新たな命を吹き込まれた建物はますます味わいを増していた。

築80年上の古民家を活かした空間

JR中央線の西荻窪駅は、良い意味で「落ち着いた」駅だ。ひとつ隣の吉祥寺駅は駅の中からして人が多く、おおいに賑わっている一方で、この西荻窪駅はそれほど人も多くなく、やや気持ちにゆとりが持てる気がする。

この駅は近年、個性的なお店が多いことで注目を集めている。たしかに、街を歩くとチェーン店ではない飲食店や雑貨店、古道具屋などがあちこちにあり、飽きることがない。「一度でも西荻窪に住んだ人はなかなかこの街を離れない」という話を耳にしたことがあるが、さもありなん、といったところだ。

そんな西荻窪駅の南口を出て徒歩10分ほど。個性的なお店を横目に見ながら商店街を抜け、いくつめかの角を曲がって住宅街を進むと、こんもりとした緑が見えてくる。そこが、今回取り上げる「松庵文庫」だ。お話を聞いたのは、オーナーの岡﨑友美さん。

松庵文庫がオープンしたのは2013年の7月。実はその頃、筆者は比較的近くに住んでおり、お店の近所に住む友人から「今度、とても良さそうなお店ができる」と教えてもらったことをきっかけにして、ときどきお店に足を運んでいた。今回は久しぶりの再訪だ。

こちらのお店の特徴は、なんと言っても「築80年上の古民家を活かした空間」ということ(件の友人も、筆者が建築好きであるからこそお店のことを教えてくれた)。まずは岡﨑さんに、この建物について聞いてみた。

玄関ドアを開けて店内へ。まるでご自宅にお邪魔するよう

店内に入るとまず目に入る、中央の植物

テーブルでは灯りが揺れる

1
2
3
4
 
WRITER
秋本 佑
秋本 佑
本(読書)大好きライター。小学生の頃、江戸東京たてもの園で前川國男邸を見て以来の建築好き。建築の専門教育は受けていないものの、「建築ファン」のひとりとして、note(https://note.mu/task_akimoto/m/md67488f9638c)に記事を書くなど。
建設転職ナビ