建設の匠
Powered by
建設転職ナビ
メニュー
メニュー閉じる
エンタメ

秋本 佑の「建築を読書する」【05】日比谷図書文化館は「不自由な三角形」を愛おしく思う場所だった

秋本 佑の「建築を読書する」【05】日比谷図書文化館は「不自由な三角形」を愛おしく思う場所だった

本屋や図書館、ブックカフェなど「本」や「読書」にまつわる建築は、わたしたちのまわりに多く存在する。つい「その読書空間にはどんな本が並んでいるか」で空間を解釈しがちだが、そうではなく、「どんな建築がその読書空間を形成しているのか」に焦点を当てると、新たに見えてくるものがあるのではないか――?

この連載ではそうした観点から、本(読書)を収める場所としての建築、空間を見つめていく。

第5回で取り上げるのは、日比谷公園の中にある日比谷図書文化館。もともとは東京都立日比谷図書館として建てられ、利用されてきた建築。千代田区に移管されたのち、2011年に「日比谷図書文化館」として生まれ変わった。そこは、特徴的な三角形の建築を存分に活かした魅力的な空間だった。

建設当時から残るフレスコ画がお出迎え

日比谷公園といえば、日比谷公会堂をはじめとして、趣のある建築が多く集まる場所。そんな公園の南側に位置するのが日比谷図書文化館だ。三角形の一角に丸形がくっついている構造は、外から眺めるだけでもおもしろい。

建物正面のようす

公園の中に入り、建物をグルリと回り込んだ三角形の頂点が、建物への入り口となっている。入り口を入ると、出迎えてくれたのはこの館の広報を担当している並木百合さん。今回は、並木さんに建物の中を案内していただいた。1階から順番に、各階を見ていく。

まず入り口のホールで目に入るのが一対のフレスコ画。正面に向かって右側が「文化の壁」、左側が「平和の壁」と名付けられており、聞けば1957年にこの建物が建てられた当時のままの姿を留めているという。

図書館という「文化」に関する施設を象徴するものと、1957年という終戦から10年ほどの時期に建てられた建築ゆえの「平和」に関するもの、といった取り合わせになっている。ここは、建築当時の人々の思いがよく表れた場所だ。

ちなみに、「文化の壁」の真ん中にいるは、豊穣の女神ポモーヌ。「私たちの広報誌『ポモーヌ』の名前はここから付けられているんです」と並木さんは笑う。

豊穣の女神ポモーヌ

銘板も建築当時のまま

1
2
3
4
5
 
WRITER
秋本 佑
秋本 佑
本(読書)大好きライター。小学生の頃、江戸東京たてもの園で前川國男邸を見て以来の建築好き。建築の専門教育は受けていないものの、「建築ファン」のひとりとして、note(https://note.mu/task_akimoto/m/md67488f9638c)に記事を書くなど。
建設転職ナビ