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清水草一の「高速道路」道!【15】死ぬまでに実現してほしい「外環道補完計画」

清水草一の「高速道路」道!【15】死ぬまでに実現してほしい「外環道補完計画」

外環道は本当に必要なのか?

その新規路線とは、C2(中央環状品川線)と横浜環状北線/北西線。C2は2015年、横浜環状北線は2017年に開通。北西線も2020年3月に開通の予定となっている。

横浜環状北西線計画概要(図/首都高速道路)

この2本の環状線が、湾岸線と東名あるいは首都高3号線を結べば、棚ざらし状態の外環道ミッシングリンクまで造る必要はない。外環道を造るには巨額の費用が必要だが、料金でそれを返済できる可能性はゼロという事情もある。

たとえば、現在建設中の外環道東京区間(関越-東名間)の事業費は、当初約1兆3千億円とされていたが、そのうちNEXCOが負担するのはわずか2500億円程度。残りは国(4分の3)と都(4分の1)が税金を投入する。つまり料金で返済可能なのは2500億円分しかないという計算だ。

外環道東京区間の建設費は、3年前の再評価で約3000億円増加し、約1兆6000億円となった。工事の遅れもあって、最終的には2兆円近くに達する可能性もあるだろう。それでも効果を考えれば造る価値はあるが、横浜環状北西線という代替路線のあるミッシングリンク区間は、さすがに必要ないのではないか?

しかし、経済情勢を考えると、そうでもないのかもしれない。

来年度は、3年ぶりに国の財政投融資予算が増えるという。もともと金利水準は過去最低レベルだが、国の保証のある借金(財投債)なら、さらに低利で調達できる。それをインフラにも積極的に投入し、さらなるインバウンドの増加等を狙い、最終的には税収増につなげて帳尻を合わせようということだ。来年度は、成田空港第三滑走路や大阪の地下鉄、暫定2車線高速道路の4車線化などが対象となる。

外環道も、単独では絶対に採算は取れないが、トータルで見れば効果は確実にあり、決して無駄な投資ではない

日本の高速道路建設は、おおむねあと数年以内に終わってしまう。「もうこれで十分」という考えもあるが、投資なくして成長なし。投資をやめたら個人も企業も国も終わりだ。長い目で見て効果が期待できるインフラには、カネを突っ込むべきである

必要な高速道路整備にはしっかり投資してほしい(写真/Adobe Stock)

私だって本音では、高速道路ネットワークが充実してほしい。なにせ高速道路マニアなのだから。

 
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WRITER
清水 草一
清水 草一
1962年東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』『浜崎橋はなぜ渋滞するのか?』などの著作で首都高研究家・交通ジャーナリストとしても活動中。『週刊SPA!』など連載多数。日本文芸家協会会員。
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