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清水草一の「高速道路」道!【17】緊急事態宣言は「オリンピック渋滞」回避の予行演習⁉

清水草一の「高速道路」道!【17】緊急事態宣言は「オリンピック渋滞」回避の予行演習⁉

「渋滞のないGW」の陰では…

新型コロナウイルスの影響で、全世界で大変なことが起きている。日本の高速道路もその例外ではなく、緊急事態宣言発動以来、自然渋滞がほぼ消滅してしまった。これは渋滞研究家を名乗る私にとって、本当に大変な出来事だ。なにしろ、日本全国、渋滞を求めて(好きなわけではないですが……)旅をしていたくらいなのに、その渋滞がなくなってしまったのだから。

首都高研究家のほうも、どちらかというと「首都高渋滞研究家」と言ったほうが正しく、首都高から渋滞をなくすには、いや、なくすのは不可能でも、緩和するにはどうしたらいいかを提案し続けてきたのだが、その渋滞が消えてしまった。つまり私にとっては、研究対象の消失である。

では、新型コロナウイルスの影響で、どれくらい高速道路の交通量が減ったのか、データで見てみよう。

全国の高速道路の主な区間の交通量増減(対前年比、週別) 出典/国土交通省

国交省の発表によると、恒例のGW渋滞が完全に消失したNEXCOおよび本四路線に関しては、4月25日から5月6日のGW期間中、全体交通量は対前年比で70%減。大惨事級の激減である。

ただし、大型車の交通量はそれほど減らなかった。同じくGW中の交通量は10%減にとどまっている。極端に減ったのは乗用車で、前年比80%減。政府がお願いしていた「人と人との接触8割減」が、見事すぎるほど見事に実現していたことになる。

通常なら最大の下り渋滞が発生するはずの5月2日(土)、東名の状況を取材するため東京―御殿場間を実走したが、やはり乗用車の激減ぶりと大型トラックの健在ぶりを実感した。

東名高速道路 横浜青葉JCT付近(筆者撮影)

たとえば海老名SA(下り)の駐車場は、乗用車46台/528枠とスカスカだったのに対して、大型車は84台/98枠と満車に近かった。GW合間の平日(4月27、28、30、5月1日)に関しては、それぞれ前年比で141%、146%、120%、120%と、むしろ大型車の交通量は増加していた。通販需要の増加や、このGWは渋滞がないことを見越しての輸送が多かったということだろう。我々の自粛の日々は、こうした物流によって支えられていたのである。

日本一の利用者数を誇る海老名SAもこのありさま。しかし奥には……(筆者撮影)

海老名SAだけいた誘導員さんもあまり仕事がない(筆者撮影)

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WRITER
清水 草一
清水 草一
1962年東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』『浜崎橋はなぜ渋滞するのか?』などの著作で首都高研究家・交通ジャーナリストとしても活動中。『週刊SPA!』など連載多数。日本文芸家協会会員。
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