建設ICT
家入龍太のやさしい建設ICT講座【08】目指すは無人化! ICT建機の今と未来【後編】
2019/05/24
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筆者:家入 龍太
スーパーゼネコンが牽引するICT建機の世界
ICT建機を積極的に現場で活用しているのは、やはりスーパーゼネコンです。
鹿島・竹中土木・三井住友JVが施工中の小石原川ダム建設工事では、7台の無人建機が稼働していました。これは鹿島の「A4CSEL」(クワッドアクセル)というシステムで、土をダンプで運び、ブルドーザーで一定の厚さに敷きならし、ローラーで所定の回数を締め固める作業を無人で行います。

写真/鹿島建設

写真/鹿島建設
コマツや酒井重工業の建機が走り回っていますし、建機メーカー以外に、測量機器メーカーなども加わっていると思います。これはゼネコン側にニーズがあって、彼らが音頭をとって開発している例です。
キャタピラー×大成建設のコラボも興味深いです。

写真/大成建設

写真/大成建設
これらスーパーゼネコンは技術研究所を有し、電気や機械分野のさまざまな専門スタッフを抱えています。彼らと建機メーカーがこのように表立って組むということは、いずれはキャタピラーがこの成果をシステムとして、開発能力を持たない他の建設会社に供給・販売する可能性もあります。
いずれにしても各社は省人化や自動化に向けて、それぞれの得意分野で開発している印象です。ぜひ最新技術を駆使して、業界を牽引していってもらいたいものです。
WRITER

家入 龍太
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。代案や新しいことへのチャレンジを「ほめて伸ばす」のがモットー。日経BP社出身。講演回数は90回以上。資格は中小企業診断士、1級土木施工管理技士など。
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