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家入龍太のやさしい建設ICT講座【10】2019年上半期まとめ~BIMの逆襲 EVOLUTION

家入龍太のやさしい建設ICT講座【10】2019年上半期まとめ~BIMの逆襲 EVOLUTION

今月の「家入龍太のやさしい建設ICT講座」は2019年上半期まとめと気になるトレンドをご紹介します。

いまi-Conはどうなっているのか

――家入さん、こんにちは。

家入 はいー、よろしくお願いします。今回はこの半年間の動向ですね。『建設ITブログ』の記事タイトルを、テーマ別にソートしてみて、その動向を見てみようと思います。題して、「BIMの逆襲」。

――逆襲とはずいぶん仰々しいですね。

家入 かつてはBIMというと、建築家が「こんなのつくりたい」という、希望的な平面図みたいなものでした。けれどもいまのi-Constructionでは、実物を3D化したBIM/CIMモデル(デジタルツイン)を作って、この中で設計解析などの失敗をして、それでうまくいった方法を現場にフィードバックして、施工する流れになっています。

ただ、この現場をBIMモデル化するため、3Dスキャンするのにドローンで測ったり、窓枠をつけたり、別のソフトを読み込んで解析したりなど、手作業が多いんですね。施工手順の検討や現場へフィードバックの流れも手作業です。

――では、手作業の数としては増えている?

家入 増えてはいますが、パソコン上で行うので楽にできるとか、施工段階の手戻りがないのでお金がかからない。さらに3次元上の話だから効率的で分かりやすいと、メリットをいま発揮している段階ではある。

このワークフローの流れは、IoTだと数秒で1周するものもあります。たとえば電力のスマートグリッド。「電気を使いすぎているから、ちょっと絞りましょう」というのは、ものすごく短いサイクルで行っています。

それが建設業界の場合は手作業もあるので5年かかり、下手すれば30年かかる。とにかくサイクルが遅かった。しかしこれが、いよいよ自動化される動きが確実にあります。

――この半年でそういう動きが見られると。

家入 そうです。なぜデジタルツインを入れるかというと、人間とともに、コンピューターも理解できるからです。そのデータを使ってロボットに指示を与えて作業させるためのデータになる。人間が分かりやすいものから、だんだんAIやロボットも理解できるようになる。

――AIがデータを蓄積してみずから学習する、いわゆるディープ・ラーニングですね。

家入 そうですね。ただAIは現場そのものを見てもよく分からないから、まず実物を写真や3Dモデルにしたデジタルデータを読む。つまり、AIやロボットの力を借りるために、この3Dデータがあるんです。

――なるほどなるほど。

家入 いま、それぞれの過程でAIなどを使っていますけれど、だんだんオートマチックな方向に動いている。

たとえばドローン。i-Constructionでも記録用に使われていましたが、その活動範囲がだんだん広がってきた。

まずは170グラム以下で航空法に引っかからないような超小型ドローンを煙突やプラントで飛ばして、写真を撮って3D化する。それから水中の深さを測れる「グリーンレーザースキャナー」に取り組む会社も出てきていますね。

あと、これまでは写真しか撮れなかったけれど、板厚を測るセンサーを搭載し、センサーをピタッと板にくっつけて板厚測定を行う会社もでてきました

――ドローンが小型化、さらに高機能化してきたと。

家入 そうですね。あと360度パノラマ写真から3Dモデルをつくるなど、写真を使ったものが最近、増えているかなと。この前、旧都城市民会館でgluonの人が5,000枚ぐらい写真を撮ったそうです。

3Dスキャナーだと、点と点のあいだの間隔があるせいで、きっちり角が出なかったりしますが、写真だとピクセル単位でできるので、そこがシャープにバチッと出るね。そういう写真が最近、点群計測に使われてきてるという印象です。

さらに鉄塔の3Dモデルなど、点群をいろいろな方向からドローンで撮りますよね。それを合体させることを自動的にやってくれるようになってきた。

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WRITER
家入 龍太
家入 龍太
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。代案や新しいことへのチャレンジを「ほめて伸ばす」のがモットー。日経BP社出身。講演回数は90回以上。資格は中小企業診断士、1級土木施工管理技士など。
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