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家入龍太のやさしい建設ICT講座【10】2019年上半期まとめ~BIMの逆襲 EVOLUTION

家入龍太のやさしい建設ICT講座【10】2019年上半期まとめ~BIMの逆襲 EVOLUTION

CIM>BIMからBIM/CIMへ

で、「BIMの逆襲」に話を戻します。3年ぐらい前にi-Constructionがはじまってから、土木のほうがすごくCIMが伸びたんですけれど、一方でBIMはちょっと元気がない。

――ほおお。

家入 なぜかというと、CIMは国交省という親方日の丸ががんがん発注して、お金を出す発注者が「3Dで行きましょう」と言えば、設計も3Dで行くし、施工も3Dで行くし、維持管理も3Dで行く。つまりみんなの足並みがビシッと揃うわけですよ。

――なるほど。お金があればなんでもできる。

家入 そう。けれどBIMの方は民間プロジェクトが多いので、発注者である民間のデベロッパーはあまり口出しをしない。一級建築士はいるんだけれど「BIM使え」とか言うと、自分の責任になっちゃうんでしょうね、きっと。

――いろいろ事情はあるんでしょうが、発注者はBIMを促進してこなかったと。

家入 ええ、それはゼネコンに押し付けてね。かたや設計事務所がBIMでやっても、ゼネコンは従来の図面でやったりするケースもある。発注者が言えばいいんだけど日本の場合は言わないから、足並みが揃わない。したがってBIM設計→BIM施工→BIM維持管理みたいな流れができにくい。

それぞれ優れた技術を持っているんだけど、「プロジェクト全体でBIMを使え」という号令を出す人がいないので、BIMは停滞していました。

そんなBIMが元気になるような萌芽があって、まずひとつは「建築BIM推進会議」。国交省がBIM推進関係者を招集したんですね。

――これ、気になっていました。「おや、なぜ今になってこんなことをやっているんだろう?」と。BIM<CIMの背景があったんですね。

家入 その伏線として、国交省はBIMを含めて、「CIM」と言ってたんですよ。「CIM>BIM」という言い方だった。それを去年9月ぐらいにBIM/CIMに言い換えた。BIMとCIMが公式に同じ系列になった。それ以来、i-Constructionで目指していた導入スケジュールにBIMも合わせようとなって、建築BIM推進会議が行われたんです。

国交省がけっこう本気になって、あらゆる設計関係や施工関係、FM(ファシリティマネジメント)などの人たちを集めて、課題を出して、「BIMでどこが効率化できるか」みたいな会議をしています

あとは自動化ですね。仮設住宅の計画から生産までをBIMで行い、通路などを決めてやれば、所定の数の家、所定の間取りが自動的に決まる。敷地内にいろんな種類の間取りの仮設住宅を自動的にバッと並べるプランをつくってくれる。

――それは素晴らしいですね。

家入 さらに、BIMモデルで換気扇まで選定してくれます。

――換気扇ですか?

家入 人間はカタログを見て「このぐらいの部屋の広さの換気をするには、1時間で何m3換気しなければいけなくて、それに合う換気扇は……」とやっていたんだけど、それをBIMの属性情報のなかに入れ込むことで、計算も自動化し、換気扇を選んでくれるんです。属性付きの設備部分をRevitで乗り入れて、編集できる。

さらに、「日本のBIM元年」といわれる2009年以前からBIMに取り組んできた大成建設で、オートデスクのBIMソフト「Revit」を活用してきた高取さんという方は、Revitユーザーグループの重要メンバーでもあるんですが、BIMのテンプレートやファミリ、コマンドなどのノウハウを「BooT.one」として販売しました。

いわばオープンソースに似た感じです。Revitを使っている人は共通的に部品を使っているので、これから企業間をまたぐBIMの本格的なワークフローができるかもしれません。これ、私はRevitに対してはデファクトスタンダードになるだろうと思っています。

これによってものすごい効率化が図れるとなると、それがだんだん広がっていく。これぞ「BIMの逆襲」です。

――BIMがんばれ! というわけで後編に続きます!

 

※後編は9月公開予定です

 
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WRITER
家入 龍太
家入 龍太
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。代案や新しいことへのチャレンジを「ほめて伸ばす」のがモットー。日経BP社出身。講演回数は90回以上。資格は中小企業診断士、1級土木施工管理技士など。
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