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家入龍太のやさしい建設ICT講座【03】建設ICTのグローバル事情【後編】

家入龍太のやさしい建設ICT講座【03】建設ICTのグローバル事情【後編】

ICTのソリューションは国によってさまざま

建設のICT化が特に進んでいる国は、アメリカや北欧です。ヨーロッパ内ではバラつきがあって、もともと工業国であるドイツではどんどん新技術の開発が進んでいます。一方でイタリアでは3Dプリンターと土で住宅をつくる「WASP」というプロジェクトがあり、最近も新しい3Dプリンターを開発したというニュースが入ってきました。

土は強度こそ低いものの、素材として非常に長く持つといわれています。日干し煉瓦を積んでつくっていた住宅をより速く、より自由な形でつくろうと思って3Dプリンターに移行したのでしょうね。

ロボットの形態・形状も国によって事情が異なります。ニューヨークのコンストラクション・ロボット社が製造するSAM100は、レンガ積みロボットです。レンガにモルタルを塗ってはレンガを積み、塗っては積み……を横に移動しながら行う。このロボットはけっこう散らかすので(笑)、人間ははみ出したモルタルを掃除したり、目地を仕上げたりするという尻ぬぐい役です。レンガは鉄骨も入れず積みっぱなしなので、輸入しても日本ではこのまま使えませんが、日本仕様にカスタマイズすれば使用できるかもしれません。

人型ロボットはつくるのが難しいので、いまのところは日本とアメリカが先行している印象です。国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST、産総研)が開発したロボット・HRP-5Pの動画は、かなりの海外の人がシェアしている。これは海外でも注目されているようです。

ICT建機についても、アメリカが開発面で先行していて、日本がそれを追従する形です。面白いことに、道路や住宅の面積自体が大きいアメリカなどに比べて、日本の工事の規模は小さいんですが、3Dマシンコントロールのバックホウで建築物の基礎を掘る工事は意外と効果的です。

日本では、最後の仕上げの段階において、削ってもいいところとこれ以上削ってはいけないところをICT建機に見極めさせて作業させている。ICT施工で、日本ならではの小規模工事を支えているのです。

つまり、ところ変わればICT化が叶えるゴールも異なるのです。

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WRITER
家入 龍太
家入 龍太
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。代案や新しいことへのチャレンジを「ほめて伸ばす」のがモットー。日経BP社出身。講演回数は90回以上。資格は中小企業診断士、1級土木施工管理技士など。
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