ケンクラフト 高石ケンさんと行く! 建設機械の世界祭典「Bauma2019」の圧倒的スケールに刮目せよ

建機各社の個性、百花繚乱
――ちなみにちょっとまじめな話ですが、昨今の各社競合のポイントはなんですか。
ケンさん CATはメンテナンス性改善を他のメーカーに対するアドバンテージとして持ってきたんだと思う。たとえばCATの最新モデルは燃料フィルターが5個も付いているんですよ。たぶん、かなり粗悪な燃料でも動かせるように考えているんだろう。メンテナンスコストの問題もあるから、そんな簡単に換えられるかどうかはさておき。
――なるほど。遠隔操作できるICT技術やエコ技術もライバルに差をつけるひとつの武器ですかね。
ケンさん そういうのは、各社たくさん展示していました。

CATの遠隔操作用リモコン

ミュンヘンのブースからアメリカにある実機の遠隔操作を体験
ケンさん こちらはエレクトリック。
――ああ、本当だ。充電器がある。乗用車と同じく「クリーン=青基調」なんだなあ。

充電器につながれた電気じかけの建機
ケンさん 説明書きによると「ヘビーな仕事なら3時間稼働」らしい(笑)。それで「山奥の現場に充電器なんてないのに、どうするの?」と不安に思うけれど、たぶんカセット式バッテリーをアッセンブリー交換できるようにしようとか考えているはず。
――そうなると、乗用の電気自動車より進んでいるかもですね。
ケンさん まずは小さい建機から。何十トンもある大型はまだ難しいかな。
そうそう、日本メーカーも多数出ていましたよ。

日立建機も出展

コベルコも出展
――日本の建機メーカーはバウマの中ではどんな存在なんですか。
ケンさん 日本の機械は壊れにくいから、そこは高く評価されています。あ、20年ぶりに加藤製作所も出ていたな。ヨーロッパにクレーンを売り込みたいらしくて、気合入れて20台以上並べていましたよ。

気合の入ったKATOブース
ケンさん 上は諸岡(茨城)、下は竹内製作所(長野)。竹内はちっちゃいシャベルカーが専門で、ヨーロッパでけっこう人気があります。日本ではほとんど売っていないけれど。
――へええ、日本にいながら知らなかった。

諸岡は不整地に強い

竹内もズラリ
――そもそもここに来る人は、建機をどんな目線で見ているんです?
ケンさん やはり自分たちの仕事に関連するクレーンならクレーン、トレーラーならトレーラーだけ見に来てると思う。
商談に来てる人も多くて、買ったクレーン車を会社のカラーに塗って、バウマで飾ってもらったりしているね。納車式もあるみたいだし。だから展示もメーカー別や用途別に分かれてました。ぜんぶ徘徊する人は、ぼくらみたいなマニア以外はいない(笑)。
――いろいろな客を受け入れてくれる懐の深いイベントなんですね。

ドイツのボーマクのロードローラ。こちらは無人機。未来感がすごい
ケンさん ボーマクはデザインがいいなあ。こっちはドイツのヴィルトゲン・グループの一群。ヴィルトゲン、フェーゲル、ハム、クリーマン、ベニングホーフェンを傘下に収めている
――路面切削機などの道路建設系ですね。こちらもデザインや色遣いが魅力的だなあ。

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