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⽇本武道館をアップデートせよ2――⽵中⼯務店の挑戦【前編】

⽇本武道館をアップデートせよ2――⽵中⼯務店の挑戦【前編】

段取り8分に「裏取り」を少々

瀧澤さんはこうも語っていた。

「いい⼯程表をつくっても、情報共有ができてなければ意味がないんです。協⼒会社や関係する⼈間に想いを寄せていかないと。だから僕はとにかく情報共有して、内容を詰めていく」

写真/山田新治郎

だから彼は、「裏を取る」のだという。協⼒会社の⼯程表や算段、職⼈さんの本⾳など、さまざまな情報収集をする。

その意味で彼の⼯程表は、「段取り8分」に「裏取り1分」のスパイスを加えた「段取り9分」で描かれていると⾔っていいのかもしれない。

「⼯程を調整する作業って、⼯程を指⽰する作業の10倍ぐらい労⼒がかかるんじゃないかと思うんです。ひとつでも崩れると、協⼒会社もすごく⼤変になる。だから⾃分は精度の⾼い⼯程表を描いて、それを死守する」

余談だが、現場の休憩所には、瀧澤さんが持ち込んだアームレスリング台が置かれていた。ここで時折、腕っぷしが強い職⼈さんたちと腕相撲(!)をしているとか。

アームレスリングに興じる(写真/山田新治郎)

また彼本⼈はタバコを吸わないにもかかわらず、職⼈さんが集う喫煙所に通い、そこで懸垂をしているんだとか(︕)。なぜか。

懸垂をしながらコミュニケーション(写真提供/山田守建築事務所)

「そこでちょっとした会話をすることで『〇〇がうまくいっていない、△△があぶない』という情報が⼊ってくるんですよ」。そう、すべて裏取り、情報収集のためだ。

このように瀧澤さんは実に細やかな配慮をしながら現場を調整し、⼈とのなにげない対話を⼤切にし、それらを⼯程管理に⽣かしている。まったく、⼈は⾒かけによらないものである(←失礼)。

 

柔道の世界で「柔よく剛を制す」というように、瀧澤さんは実にしなやかに現場を制している(⾒た⽬も”剛”だけど)。いずれにしても、彼は⽇本武道館の現場を統べるのにもっともふさわしい⼈材なのかもしれない。

 

※クレジットの入っていない写真はすべて編集部撮影

【後編はこちら】

【設計編はこちら】

 
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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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