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ワザ・モノ

⽇本武道館をアップデートせよ 2 ――⽵中⼯務店の挑戦【後編】

⽇本武道館をアップデートせよ 2 ――⽵中⼯務店の挑戦【後編】

”名施⼯管理技士の技”に、もっと光を

これは⽵中⼯務店にかぎらないけれど、建設業界において施⼯管理という「調整役」はつくづく⼤変な仕事だと思う。関係各所からいろいろな球が⾶んでくる。すべてとラリーをする余裕はない。でも打ち返さなくてはいけない。

「イージーだけれどたくさん⾶んで来る協⼒会社からの球、正⾯から来るよけられない設計事務所の球、⾜元から来る難しい建築主の球、後ろからくる所内からの球とか(笑)。だから『リターンエースを返せるようになろう。リターンエースを返すためには、常⽇頃から問題に相対しなきゃダメだよ』と⾔っています」(瀧澤さん)

瀧澤さんと西出さん

理想とする施⼯管理は「イメージとしては、パシュートみたいな感じ」と瀧澤さんは⾔う。3⼈ひとチームで縦⼀列になってタイムや順位を競う、スピードスケートのあれだ。空気抵抗を軽減させるためみんなまったく同じ姿勢をすることもあれば、それぞれがバラバラな動きをして滑っているときもある。

でもとにかく、みんなで前を向いて進んでいる。

「現場って、みんなが同じ⽅向に向かって動かないと、ムダな作業が多くなるんですよね。でもみんなが同じ想いで同じ⽅向を向いていれば、ちょっと脱線しても多少曲がってもいいと思う」

写真/山田新治郎

彼はこう⾔う。その道のプロでありたいと。プロの施⼯管理者でありたいと――。

すてきな建築ができると、とかく意匠設計を⼿がけた建築家の名ばかりが取り沙汰されるけれど、実はその裏に「名施⼯管理者」がたくさんいる。世間のみんなはもっと、彼ら施⼯管理の匠の技に⽬を向けてほしい。そう願わずにはいられない。

そんな彼らのプロフェッショナリズムを⾒て、次世代の施⼯管理が育っていく。「おれたちの背中なんて、⾒てくれているかなぁ」と笑いあうふたりは、まったくのシロウトである筆者にもまぶしく⾒えた。

 

今後、この日本武道館施工で得られたノウハウは、社内であらためて共有していくのだという。山田守建築事務所と同様に、竹中工務店施工管理のワザは、″武道の殿堂″の数十年後のアップデートにいかされていくはずだ。

※クレジットの入っていない写真はすべて編集部撮影

【前編はこちら】

【設計編はこちら】

 
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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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