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【祝即位】大嘗祭がおこわれるまぼろしの建築「大嘗宮」、ついに完成す!

【祝即位】大嘗祭がおこわれるまぼろしの建築「大嘗宮」、ついに完成す!

10月22日、東京・千代田区の皇居にて「即位礼正殿の儀」がおこなわれた。天皇陛下の即位を国内外に知らしめるものであり、その時代がかった儀式の様子をテレビなどでご覧になった方も多いだろう。さらに11月10日には「祝賀御列の儀」というパレードが実施され、多くの観衆が沿道に詰めかけた。

しかし、即位に関連する儀式はまだ終わりではない。「大嘗祭(だいじょうさい)」が控えているのだ。「建設の匠」では、大嘗祭のために建てられ、すぐに解体されるまぼろしの建築「大嘗宮(だいじょうきゅう)」に迫ってみたい。

【11月21日更新】「実際に大嘗宮に行ってみた記」はこちら

大嘗祭はなにをする祭か

そもそも、「大嘗祭」とはなんだろうか。

皇位継承においては3つの大きな儀式がある。ひとつ目は、皇位の証となる三種の神器を受け継ぐ「剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)」。2つ目は即位を内外に示す「即位礼正殿の儀」。そして3つ目が「大嘗祭」で、この3つの完遂で、皇位継承が無事に成し終えたといえる。

大嘗祭は「新嘗祭(にいなめさい)」と非常に似た催事である。「新嘗祭」は五穀豊穣を祝う収穫祭だ。「新」は「新穀」の意味で、その年にはじめて実った稲穂を指し、また「嘗」は「ご馳走」を意味している。神々に初穂をお供えし、初穂を得たことを感謝するお祭りなのだ。毎年11月23日(いわゆる勤労感謝の日)に、皇居と全国の神社で開催されていた。

この新嘗祭と同じような儀式を、新しく即位した天皇が一代につき一度だけおこなう。それが大嘗祭だ。儀式の内容は新嘗祭とほぼ同じだが、即位した新天皇がはじめて行うことに意味がある。

その最大の特徴は、開催場所にある。新嘗祭は毎年、宮中三殿の「新嘉殿」でおこなわれているが、大嘗祭はこのために建設した仮設の「大嘗宮」でおこなわれるのだ。

大嘗祭の流れと大嘗宮

令和の大嘗祭は11月の14日、15日におこなわれる。

大嘗祭当日にはまず、「廻立殿(かいりゅうでん)」にて身を清めることからはじめる。18時半から「悠紀殿(ゆきでん)」において、翌15日の午前0時半から「主基殿(すきでん)」にて「供饌(きょうせん)の儀」がおこなわれる。

ここで天皇陛下が神々に東の悠紀地方と西の主基地方の新穂を供え、みずからもそれを食すことを「相嘗(あいなめ)」といい、この祭儀が「供饌の儀」と呼ばれているのだ。

さて、そんな大嘗宮の主要な建物である「悠紀殿」と「主基殿」は、皮のついたままの樹木・黒木でつくられる黒木造が特徴だ。

その令和の大嘗宮は、平成の大嘗宮よりも8割程度の規模である。

令和の大嘗宮(出典/宮内庁)

平成の大嘗宮(出典/宮内庁)

それはこの伝説の建築が、わずか2日間の大嘗祭のあいだしか使用しないことや、皇族数の減少などが理由として挙げられている。もちろん、人件費や資材価格の上昇なども大いに関係している。

平成/令和の大嘗宮図面(宮内庁Webサイトより)

主な変更点としては、廻立殿、悠紀殿、主基殿の屋根材を萱葺から板葺へ変更したこと、「小忌幄舎」「殿外小忌幄舎」の規模縮小、「雨儀廊下」「斎庫・受取所」などの規模縮小や仕様変更(木造→白帆布屋根)などが挙げられる。

しかし東京オリンピック/パラリンピックを控えた現在においては、建設費自体が高騰しているため、費用は平成時(大嘗祭関連費約22.5億円)よりも高い約27億円となった。

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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
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