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【世界遺産登録】古代の超巨大建造物・仁徳天皇陵古墳の令和建設パーソン的愉しみ方【百舌鳥・古市古墳群】

【世界遺産登録】古代の超巨大建造物・仁徳天皇陵古墳の令和建設パーソン的愉しみ方【百舌鳥・古市古墳群】

お墓が遺産になった、だと……? どういうこと……?

「世界遺産」とは、すべての人類のための遺産である。これに登録されると、損傷や破壊などを防ぐための国際的な協力や援助を受けられる。

去る2019年5月。ユネスコ諮問機関のイコモス(国際記念物遺跡会議)は、百舌鳥・古市古墳群を世界遺産の一覧表に記載するよう勧告した。これにより、世界遺産登録がほぼ確実となった。

世界遺産登録を祝し、日本が誇る巨大建造物、百舌鳥・古市古墳群の紹介とその愉しみ方を記していきたい。キン肉マンファンも必見だ。

巨大すぎる前方後円墳は鳥の眼で見たい

百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)は日本で19番目の文化遺産で、大阪府下ではじめての世界遺産となる予定だ。「群」となっていることでお分かりのように、「百舌鳥古墳群」の23基と「古市古墳群」の26基の合計49基の古墳から成り立っている。

この地域(大阪府堺市、藤井寺市、羽曳野市)の3市にわたって古墳は数多く点在しているのだが、世界遺産の登録において重要視される「資産の統合性」を重視し、49基が厳選されたのだ。

大阪府堺市を中心に4キロの範囲に広がる古墳群、百舌鳥古墳群の中でもっとも注目すべきは、やはり仁徳天皇陵古墳(大山古墳)だろう。

この地域のみならず日本の古墳中で最大の古墳であり、世界的に見てもトップクラス。全体の長さは840メートルで、濠部分を除いた古墳中心部の「墳丘」の長さだけでも486メートル。「世界3大墳墓」のエジプトのクフ王のピラミッドや、中国・秦の始皇帝の墓よりも大きいのだから……!

ちなみに古墳名の「仁徳天皇陵」は、宮内庁の資料によれば「第16代仁徳天皇」が埋葬されているとされている。しかし宮内庁管理の皇室財産であり、これまで発掘調査が行われることなく現在に至っているため、本当に仁徳天皇の墳墓であるかは定かではない。

仁徳天皇陵古墳全景(写真/Adobe Stock)

これほどの規模だけに、近くで見るとさっぱり全貌がつかめない。筆者は以前クルマで訪ねたことがあって、カーナビに映る仁徳天皇陵古墳を見た瞬間には「ウッホ、地球の鍵穴キターーーッッ!」と快哉を叫んだものだが、近づけばただのこんもりした木々と池である。

夏にはセミがたくさん鳴いてそうな風景(写真/Adobe Stock)

仁徳天皇陵古墳拝所。お墓ですからね(写真/Adobe Stock)

近隣でもっとも高いビル、堺市役所から眺めてもこんな感じ。ただの森やん。

地上80mの市役所最上階(21階)から見てもこれですよ……(写真/Adobe Stock)

いまではうっそうとした木々に覆われている古墳だが、築造時には墳丘の斜面が葺石で覆われ、太陽が当たるとキラキラと光り輝いていた。墳頂部には円筒埴輪が並べられ、それはそれは豪華な造りであったそうな。

裏を返せば、現代でも空撮でしか全貌把握できないほどの巨大なものを、よくぞ建設したものである。しかも日本で3番目に大きい履中天皇陵古墳(墳丘長365m)、7番目に大きいニサンザイ古墳(墳丘長300m)も密集しているこの地域。巨大古墳に従うかたちで中小の古墳を計画配置する陪塚(ばいちょう)というシステムもあったそうな。

建設が仮に同時進行だとしたら、いったいどういう工程表を組んでいたのか。いまの東京都心の建設ラッシュよりハードじゃないか。古代の建設パーソン、おそるべしである。

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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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