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菊竹清訓作・旧都城市民会館ドキュメント24―メタボリズムの名建築がわたしたちにのこしたもの【前編】

菊竹清訓作・旧都城市民会館ドキュメント24―メタボリズムの名建築がわたしたちにのこしたもの【前編】

みなさんにぜひとも言っておきたいことは、いろいろなことを「わかったこと」にしないことです。本当は「わかっていない」んです。わかっていないことをわかったつもりでいる。とくに今の時代、建築家としてそれは許されません。わからないことをわかるように最大限努力する。それでもわかったつもりにならないこと、それが大切です。森美術館「世界デザイン会議」とメタボリズム 「メタボリストが語るメタボリズム」

建築家・菊竹清訓氏(1928年4月1日~2011年12月26日)のことばを反芻しながら、編集部の中の人(以下、筆者)は宮崎行きのソラシドエアに乗っていた。目指すは旧都城市民会館だ。

旧都城市民会館とは、カタツムリのような外観が特徴的な菊竹氏によるメタボリズム建築である。市内外を巻き込んだ10年以上の「解体か保存か」議論の末、今年3月に解体が正式に決まったのだが、解体前の6月末、都城市主催の見学会が開かれることになった。それに思い切って申し込んでみた次第だ。

この建築をはじめて知ったのは、たしか当サイト連載中のロンロ・ボナペティさんのツイッターだった。「こんなヘンテコな形の市民会館があるのか!」と驚いた記憶がある。

なぜ、これまで行ったことのない宮崎県の都城市へ、解体される建築をわざわざ見にいこうと思ったのか。それは、解体までになぜここまでの大騒ぎになったのか、専門家ではない一般市民は実のところどう思っているのか――そしてあの建築は、われわれになにを残したのか。それがどうしても知りたかった。

東京でインターネッツを見ながらやいのやいの言っていても分からないことがあるはず。24時間程度のわずかな滞在でもいい、できるだけ街の空気を肌で感じたかったのだ。

都城市とはどんな街なのか?

宮崎空港から高速バスで1時間乗り、午前10時頃、都城駅近くでバスを降りた。天気はくもり。いずれ雨が降るらしい。終点の西都城駅まで乗っていけば旧都城市民会館はすぐ近くだったけれど、さいわい見学会にはまだ時間があったので、30分ほどかけて、市内を歩くことにした。

都城市は宮崎県第二の規模を誇る都市だ。ロードサイドにはチェーン店がならび、びゅん、びゅんとクルマが走る。愛知県の実家あたりに似ていて懐かしくなる。しかし、歩いているのはほぼ筆者ひとり。思い返せば、カメラを持って目をぎらぎらさせた中年の男は、たぶん怪しかったと思う。こんな朝から不審者かよと思った市民のみなさんに、この場を借りてお詫びしたい。

駅近くにある大きくて立派な都城市総合文化ホール(これについては後述)

そんなホールから都城駅を望む。ここまで徒歩5分程度

いい味出している卓球練習場

そうか、やっぱり九州だから居酒屋名にもなるしカステラも売って……節子、ここ長崎やない、宮崎や

こうゆうの見ると胸がキュンとなる

山内多門ってどなた……?と思ったら近代日本画家の大家だそう。寡聞にして知りませんでした

「日本一の肉と焼酎、とっておきの自然と伝統」を売りにする都城市だが、市街地を歩くかぎりは、そこらで牛が歩いているわけでもなく、焼酎をつくっているわけでもなく、当たり前だけれどふつうの街だ。

いずれ雨が降るからか、あるいは盆地だからか、じめじめとした暑さだ。じわっと汗をかきながら歩いていくと、ようやく見えてきた。トゲトゲが。

分かりにくいので近くまで来てもう一枚。

いやはや、遠くから見ても分かるこの異様さよ。

せっかくなので、もう少し周囲を歩こう。県道31号線(ゆずり葉大通り)を歩き、西都城駅まで。

宮崎地方法務局や国税庁、ハローワークなどが入居する都城合同庁舎がある

ゆずり葉大通りを行くとかなりだだっ広い西都城駅前交差点に着いた。左に見切れているのが旧市民会館

位置関係はこんな感じ

西都城駅は黒塗りの重厚な雰囲気

余談だが角のガソリンスタンドは萌える建築

 

 

ゆずり葉大通りを曲がり、北側からアプローチ。都城市総合福祉会館の向こうに旧市民会館が見える

ぐるっと回って西側から。旧市民会館前の道は県道から比べて急に狭くなる

南側から見る旧市民会館。このあたりは高い建物のない住宅街だ

最後は南東方面、国道269号線にかかる歩道橋から。手前に見えるのは小学校

ふたたび東側から。隣の茶色の建物は宮崎家庭裁判所都城支部

ついに到着。その圧倒的迫力にしばらく言葉を失った

……さあ、いよいよ見学会だ。

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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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