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難所をつらぬく国道45号線と「3.11」復興の歩み【戦後インフラ整備70年物語】

難所をつらぬく国道45号線と「3.11」復興の歩み【戦後インフラ整備70年物語】

災害大国ニッポンの教訓を活かせ

2016年に発表された世界リスク報告書(World Risk Report)では、日本は災害リスクの高さ17位と発表された。一方でG8の先進国はすべて100位以下だ。いかに日本が災害を受けやすい国土でありながら経済発展した稀有な国であることが分かる。徳山氏はこれを指して、「日本は災害克服国」だと表現した。

 

岩手県宮古市の田老町は、40年に一度、壊滅的な被害をこうむってきた土地だ。しかし、明治29年の明治三陸地震で83%だった死亡率は、昭和8年の三陸沖地震で32%、東日本大震災では4%と減少している。ハードとソフトの災害対策によって、日本は災害に確実に強くなっているのだ。

徳山氏は以前、ハワイにある太平洋津波博物館(Pacific Tsunami Museum)に訪れた際のエピソードを紹介した。

展示を見ていると職員が話しかけてきて、自分が行政関係者だと話すと、「正体がなにかわからない東日本大震災の漂着物があるので見てほしい」と言われた。

倉庫から出てきたのは「45号 建設省」と記された視線誘導標だった。驚いて自分が管理していた道路のものだと話すと、職員は「あなたが来るのを待っていたのね」。徳山氏は思わず、誘導標を抱きしめたという。あとで調べてみたら、釜石市の両石にあったものだったそうだ。

ハワイも津波常襲地域であり、災害多発地域としては同志のような存在。災害多発地域に対して日本の「克服力」をシェアしていくことも、今後のポイントになっていくのかもしれない。

現在、陸前高田市に復興祈念公園の建設が進んでいる(2020年開園予定)。その中に「東日本大震災津波伝承館」が整備される予定だ。また、各地の震災遺構などを含めた「3.11伝承ロード」の構築によって、震災の実態や教訓を継承していく試みが産学官の連携ではじまっていくだろう。

震災から8年。復興・創生期間はあと2年だ。もちろん、10年という区切りでなにもかもが終わるわけでも、劇的に好転するわけでもない。しかし、災害大国ニッポンで生きていく未来の人々のために、鎮魂・慰霊と教訓・伝承がひとつの使命となるだろう。

災害対応に必ず必要とされる建設業従事者もまた、経験に学び、教訓を得て、今後に活かし続けていかなければならないのではないだろうか。


次回インフラ整備70年講演会は5月27日(月)開催。テーマは「名神高速道路」です。

参加申し込みはこちらから。

 

 
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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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