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ケンクラフトのケンさんは今日もミニチュア建機で人々に“幸せ”を売る【前編】

ケンクラフトのケンさんは今日もミニチュア建機で人々に“幸せ”を売る【前編】

1/50スケールモデルを生み出した男

ミニチュア建機を本格的に揃えたくなったケンさん。しかし、ミニチュア建機を市場流通させていない建機メーカーもあった。

日本一の建機メーカー・コマツもそのひとつ。「店でコマツのミニチュア建機を取り扱いたいと強く思って、コマツに直電。すると「偉い人が2人来てくれて、いろいろと話した結果、ミニチュアを分けてくれることになった」そうだ。

コマツのミニチュアはケンさんにとって思い出深いものだ。

ところが、当時のコマツのミニチュア建機はおもちゃっぽくて、正直言ってチャチなものだったという。当時、広告などで「グローバル」というフレーズを多用していたコマツの担当者に、ケンさんははっきりとこう言った。

「御社のミニチュア建機は、“グローバル”じゃないんです」

「それはどういうことですか?」

「まず縮尺が違います。御社は1/40ですが、海外はみんな1/50です。御社はおもちゃっぽいんですが、海外のメーカーはすごく精密なものを作ります。精密なミニチュア建機をもらった人は、どんな印象を抱くと思いますか。『コマツは模型のメーカーじゃないけれど、模型もしっかり作れる会社なんだ』と思うでしょう。そうすると本物の機械の印象も良くなる。それがメーカーの“演出”なんですよ。

コマツの担当者は深く納得して、なんとその場で、翌年デビューする新型モデルのミニチュア建機制作をケンさんに委ねてきたのだ。

ケンさんはさっそく試作機を工場で取材、図面を確認し、写真を撮って、信頼できるドイツの模型メーカーに制作委託を持ちかけた。そして10か月後、ケンさんのイメージ通りの建機ミニチュアができあがった。

「うちですべて検品して、コマツさんに納品しました。モデルチェンジするまで、累計で1万台以上を納めたかなぁ」

この話には後日談がある。そこからコマツを含むすべての日本のミニチュア建機は、すべて1/50になったのである。建機メーカーを動かすほどのエポックメイキングな流れをつくったのは、ケンさんのミニチュア建機への愛とこだわりだった。

「愛はすべての壁を越えますよね。言葉の壁さえもなくなる。海外に行けば、『KEN KRAFTはお前か!』とよく言われるんですよ。それぐらい、アメリカやヨーロッパではうちのお店の名前を知られているみたいだね」

ケンさんは照れくさそうに、でも、ちょっと誇らしげに笑った。

誰よりも嬉しそうに商品を紹介してくれるケンさん。

 
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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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