ケンクラフトのケンさんは今日もミニチュア建機で人々に“幸せ”を売る【後編】

どんな人が買いに来るのか
日本のミニチュア建機モデルの市場を創り出したKEN KRAFT。木曜から日曜まで週4日しか営業していない、およそ13坪のこのマニアックなお店には、どんなお客さんが訪ねてくるのだろう。
「うちのお客さんは3歳から60代まで。遠くはタイや台湾、香港、シンガポールからも来ます。一番の購買層は、30~40代ですね。おそらく3分の1は建設業関連の方だと思います。仕事も建設関連で、ミニチュア建機も欲しい人って、とても幸せな人ですよね。自分が乗っている建機が欲しいという向きもあるし、自分には乗れない鉱山で働くような大きな建機や、巨大なクレーン車を買う人もいます」
フェラーリやポルシェのようなスポーツカーは、頑張れば買って公道で乗れるかもしれないが、建機は本物を買うことはなかなか難しいし、仮に買ったとしても操る場所も限定される。だから、ミニチュア建機に夢や憧れを投影する。その意味では、鉄道模型に似ているのかもしれない。
ミニチュア建機の楽しみ方は人によりさまざまである。先のコマツのショベルカーを累計24台ぐらい買った人は、いわく「みんなポーズを変えて飾っている。気に入ると何台もほしくなるんだようねえ。」店を訪れた女性客に「プレゼント用ですか?」と尋ねたら「自分用です」と返答されて面食らったこともある。
「私はまだ20台しか持っていない」と話す常連客には、「誰と比べているの?」とたしなめたりもする。「生き方と同じで、比べる必要はまったくないんですよ」とケンさんはつぶやいた。

「誰かと比べる必要なんてないんですよ」とケンさんに言われると、なぜだろう、胸にしみる。
これを読むあなたの家に「はたらくくるま」が好きなお子さんがいて、KEN KRAFTへ連れて行ったら、おそらくとても喜ぶだろう。しかし、一点だけ注意が必要だ。
「子どもって、すごい観察力なんです。値段なんか見ずに、品質のいいモデルをずばり選ぶ。『えっ、これを選ぶのか、すごいなぁ』と感心するぐらい」とケンさんは言うが、ミニチュア建機は高価なモデルだと100万円もするとか!
だから、うっかり「これ欲しい」とねだられたりすると対応に窮しかねない。だが、そこはご安心を。初心者におすすめのミニチュア建機を選んでくれた。ご興味のある方はぜひ最終ページをご参照いただきたい。

RECOMMEND編集部おすすめの記事
-
【橋脚崩壊】阪神・淡路大震災のダメージから阪神高速道路はいかにしてよみがえったのか【インフラ復旧】 66 2.7K
-
建設業界のイノベーター・助太刀CEOの我妻陽一氏は「『業界をぶっ壊す!』ではうまくいかない」と堅実に歩を進める【前編】 210 3.6K
-
【みんなで考えるオープンデスク】フリーランチ代表 納見健悟さんは「労働法で考えれば未来は開ける」と提案する 95 2.7K
-
【建設×障害】「パーフェクトワールド」モチーフの車いす建築士が障害を抱えてはじめて得た“視点” 19 2.8K
-
川田テクノロジーズ社長・川田忠裕氏は「人間と技術」の可能性を信じ未来を拓く【前編】 57 3.4K
-
【ハッピー・ドボクリスマス】未来の建設パーソンを育むドボク本5選【ドボクリ】 47 815