なでしこオペレーター【01】當間ありさ×住友建機HA60W

父の背中に憧れを抱いて高校卒業と同時に業界入り
強烈な太陽の日差しがギンギンに照りつける沖縄。34度を超える猛暑日のなかで、常に140℃以上の温度をキープしたアスファルト舗装の工事は、男性にとっても過酷な現場である。そんななかレーキマンなどの舗装職人に交じり大きな声を荒げる女性がいた。

大きな現場では住友建機が誇る大型アスファルトフィニッシャの名機、HA60Wを操作する當間ありささん。
「高校時代に父の現場を見学したのが最初のきっかけですね。建機に乗る姿がカッコイイなと思いました(笑)」
父は〝アジャストマン〟という舗装工のプロフェッショナルで、舗装厚などをコントロール。その横でスクリードを伸縮させて、合材をまきだしているのが當間ありささんだ。高校卒業と同時に3年前に有限会社牧野建設に入社し、アスファルトフィニッシャのオペレーターを担当している。

父親の當間義伸さんは経験豊かなアジャストマン。バックホウからアスファルトフィニッシャまでマルチに操り各現場をこなす。仕事には人一倍厳しい父親と親子鷹で日々舗装工事に挑んでいる。

真剣なまなざしで男性顔負けにアスファルトフィニッシャを操る
「最初のころは誰も口をきいてくれなくて。若い女性ということもあって、仕事に対する本気度も伝わらなかったんでしょうね。今日の暑さはまだまだいいほうですよ(笑)」と話す彼女のひたいには汗が浮かんでいた。
路づくりのプロを目指してモータグレーダを特訓中!
舗装の現場は職人のチームプレーで成り立っている。施工時はいつも周囲の状況を把握し、狭い現場では最後どのように機械を逃がすかなど頭のなかでシミュレーションしているという。

安全靴を履きユニフォームに着替えて、手袋をはめれば舗装ガールに変身。
「アスファルトフィニッシャを操るのは好きですが、スクリードを全開して施工する際にはタイヤをスリップさせることなどもあって、ひやっとした経験もあります。まだまだ自分の未熟さを感じますね」
まだまだオペレーターとして中途半端なため、まずはちゃんとしたオペレーターになるのが一番の目標だと話すありささんだが、チャレンジ精神とモチベーションの高さは半端ではない。
「実はモータグレーダのほうも練習をしているところです。8本のレバーとまだまだ格闘中ですが、いつか自分で再生砕石をならして、舗装の前段階となる路盤工にも携われるようになりたいですね」と力強く語ってくれた。

手袋を脱ぐと美しい手に沖縄の青い空と青い海をイメージさせるネイルアートが光る。
親子鷹の〝路づくり〟への熱き挑戦はこれからも続いていく。

RECOMMEND編集部おすすめの記事
-
【橋脚崩壊】阪神・淡路大震災のダメージから阪神高速道路はいかにしてよみがえったのか【インフラ復旧】 66 2.7K
-
建設業界のイノベーター・助太刀CEOの我妻陽一氏は「『業界をぶっ壊す!』ではうまくいかない」と堅実に歩を進める【前編】 210 3.6K
-
【みんなで考えるオープンデスク】フリーランチ代表 納見健悟さんは「労働法で考えれば未来は開ける」と提案する 95 2.7K
-
【建設×障害】「パーフェクトワールド」モチーフの車いす建築士が障害を抱えてはじめて得た“視点” 19 2.8K
-
川田テクノロジーズ社長・川田忠裕氏は「人間と技術」の可能性を信じ未来を拓く【前編】 57 3.4K
-
【ハッピー・ドボクリスマス】未来の建設パーソンを育むドボク本5選【ドボクリ】 47 815