住友建機製ハイスペック林業建機を駆使する竹上木材の“最先端”林業現場に密着してみた

「ヘイヘイホー、ヘイヘイホー」とのんびりと木を切る林業のイメージは、どうやら遠い昔話のようだ。我々がお邪魔した林業の最前線は、コンピュータやGPSを使った伐採計画の立案、作業道の設計、高性能林業機械を駆使した効率的な作業と、想像もできないほどクリエイティブでダイナミックな現場だった。驚くほど高度に近代化された林業現場の姿を、余すところなくお届けしよう!
機械化、IT化の推進により生まれ変わりつつある林業
林業の現場は、大きくふたつに分けられる。一定のスペースの木をすべて伐倒、出荷する皆伐あるいは全抜と呼ばれる現場。もうひとつは一部の木だけを伐倒、出荷する間伐と呼ばれる現場だ。さらに間伐は、ふたつの目的で行われる。なるべく良い木を育てるために、木を間引きして育成を促すことがそのひとつ。もうひとつは環境保全、災害防止という目的だ。
森林は放置したままにすると樹木が密生し、下草などが十分に育たない。そうした森林は保水力が低下し、土砂崩れなどが起きやすくなる。さらに密生した樹木は十分根を張ることができず、倒木しやすくなる。土砂崩れや倒木の危険性を抑えるため、森林を定期的に手入れする必要がある。近年では、この環境保全、災害防止という目的の間伐作業が重要視されている。
林業全体の話はこれくらいにして、本題に入ろう。
今回、取材にご協力いただいたのは、和歌山県有田川町に本社を構える竹上木材。ITを活用した伐採計画の立案、高性能林業機械を導入した効率的な作業など、積極的に林業の近代化、効率化を進めている会社だ。
竹上木材がある有田川町は、元々川流しという手法の林業が盛んな地域。現在社長を務める竹上光明さんの祖父が竹上木材の母体を設立した。それ以来原木丸太を製造し続け、約70年の歴史を持つ。近年は山林管理事業、造林事業なども手がけている。

三代目社長を務める竹上光明さんと、若いメンバーぞろいの竹上木材社員のみなさん。高性能林業機械の取り扱いは、若い社員の方が覚えが早いそう

伐採計画や作業道敷設のための設計などは、今やコンピュータを使って行う時代。もちろん精度も昔とは比べものにならないほど上がっている。コンピュータを使って作成された設計データを、地図データに落とし込む。そうすることで、クライアントにも分かりやすく提示できる

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