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「お客様の声を反映し、喜んでもらえるモータグレーダを」開発者が語るコマツGD675-6の魅力

「お客様の声を反映し、喜んでもらえるモータグレーダを」開発者が語るコマツGD675-6の魅力

2015年、大型特殊車両として初となるオフロード法2014年基準達成モデルとして、華々しくデビューを飾ったモータグレーダ・コマツGD675-6。現行モータグレーダの最新モデルとなるGD675-6の開発に、チームリーダーとして携わった坂井幸尚氏にお話をうかがうチャンスを得た。

いまや世界の建設機械をリードする存在となったコマツがこの最新機種にかけた想いとその魅力について、じっくりと語っていただいた。

コマツ 商品企画本部 市場開発部 モータグレーダチーム チーム長 坂井 幸尚氏

昭和46年生まれ。新潟県出身。湘南工科大学機械工学科卒業、卒業論文のテーマは尿素SCR。大学卒業後、小松エストに入社。以後、コマツにおいてもモータグレーダの開発ひと筋で、GD675-6 ではチームリーダーとして開発をけん引した。子どもの頃から身近にあるモータグレーダに興味を持ち、就職に際してはモータグレーダに携われることを第一に考えたという

 

ネーミングにも秘められた1ランク上のモデルチェンジ

――2015年に発売されたGD675-6は、2013年まで発売されていたGD655-3の後継機に当たると思います。型式がGD675となったのは、なにか理由があるのでしょうか?

GD675-6では、サークル断面積の増加、ドローパ補強、ジョイントバーの採用など、作業機全体にわたり強化を実施。併せてフロントフレームの強化も実施し、作業性、耐久信頼性も向上させている。またサークルウエアプレートの材質を従来の金属製から樹脂製へと変更。サークル表面を傷つきにくくすることで、より一層の長寿命化を実現している。さらにスカリファイアにも改良が加えられた。従来は爪そのものを交換する構造だったが、GD675-6では先端部分のみが交換できるように。消耗部品だけに、使用者にとってはありがたい変更だ

坂井 そうですね。当時国内ではGD655-3を販売していましたが、海外ではGD655-5というモデルを販売していました。今回のモデルチェンジではこの5型をベースにしています。国内モデルに対し車両重量、定格馬力をアップさせ、幅広のブレードも設定しました。

こうしたことから、GD655-3に対しては車格もワンランクアップしたということで、GD675-6として発売しました。また機種名をGD675-6とすることで、欧州仕様との統一も図っています。

――今回のモデルチェンジで一番苦労した点は、どんな部分でしょう?

坂井 やはり排ガス規制対応ですね。大型特殊車両としては国内初ということもあり、SCR、DPFなどの後処理装置のレイアウトは苦労しました。レイアウトといっても、ただ詰め込めばいいというものではないので。たとえばDPFはあとあと取り外しが必要になるので、クレーンで引き上げられるようにしたりと、この部分だけでもいくつも特許を申請しているほどです。

モータグレーダGD675-6で、コマツとしても大型特殊車両に初めてSCR、DPFを採用。これらの排ガス後処理装置は消音効果も大きく、GD675-6ではいわゆるマフラーは搭載されていない

また今回のモデルチェンジでは、視界性も重視していましたので、後処理装置などを搭載しながら、いかに後方視界を確保するかは大きなテーマでした。

後方視界を確保するために、新たに設置されたリアビューモニタシステム。キャブ上方にカメラが設置された

フロントウインドー上部に7インチディズプレーが設置され、後方カメラからの映像がクリアに映し出される

――新たにAdBlueを採用されたわけですが、供給体制を含め、不安に思っているユーザーもおられると思いますが?

坂井 供給体制については、一般のガソリンスタンドでも購入可能ですし、コマツの販売店でも取り扱っていますので、ご心配にはおよばないと考えています。またAdBlueの消費量につきましては、燃料消費量の3%程度です。それに加えて、今回の新型エンジンはエンジン自体の燃費性能も向上させています。AdBlueの費用も含めて、トータルの燃費コストとしては前モデルと同等以上を実現していると考えています。

 

新採用されたAdblueの給油口。Adblueは一般的なガソリンスタンドはもちろん、コマツの販売店からも入手が可能だ。モータグレーダは厳しい条件で使用されるため、Adblueのタンクの配置、装備方法などにも、大変な苦労があったそうだ

――今回搭載されている新エンジンは、モータグレーダ用に開発されたものですか?

坂井 今回のエンジン自体はコマツグループ内で、他の建設機械にも搭載されているエンジンです。数の多い機械では、油圧ショベル、ホイールローダなどにも、同じエンジンが搭載されています。もちろん細かいチューニングは、それぞれの機体特性に合わせて変えていますが。

単純にエンジンだけで前モデルと比較しますとGD655-3に対し、排気量を下げながら定格出力を向上させています。そして燃費性能も向上させました。さらに静粛性も向上させていますので、扱いやすくて経済的なエンジンに仕上がったと思っています。

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『建機グラフィックス』 編集部
『建機グラフィックス』 編集部
土木・建築現場で活躍する建機たちと現場に携わる人々の仕事ぶりを、映像とともに紹介する人気のムック。徹底してプロの現場にこだわる『建機グラフィックス』は、あらゆる現場で活躍する人々と建設機械たちを応援しています。
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