建設の匠
メニュー
メニュー閉じる
ビジョナリー

建設職人甲子園理事長・石井 賢氏は問う、「あなたは自分の子どもに、職人の仕事の価値を伝えられているか?」【前編】

建設職人甲子園理事長・石井 賢氏は問う、「あなたは自分の子どもに、職人の仕事の価値を伝えられているか?」【前編】

たとえどんなに立派な施工図があっても、建設資材のダンドリが完璧でも、この世界に建設職人がいなかったら、家もビルも建ちやしない。インフラ整備も家屋の補修もされないから、みな朽ちていく一方だ。

しかし肝心の建設職人は不足している。もっとも、安く叩かれ、工期を急かされ、安全も守られず、建設職人であることの誇りさえも保たれなければ、いなくなるのも当然だろう。

……それでいいのか。ニッポンの匠を絶やしていいのか? いや、そんなはずあるまい。

建設職人の矜持を取り戻さんと、ビッグイベント「建設職人甲子園」を率いることになったひとりの男の想いとは――。

町場のペンキ屋にできることを模索して

「自分、佐々木健介さん(元プロレスラー、タレント)に似てるってよく言われるんです。その反面、『怖い』とも言われる。でも、佐々木健介さんって、ぜんぜん怖そうに見えないじゃないですか。なのに自分は“怖さ”を醸し出している。『職人さん=怖い』というイメージだから、ですかね。自分では分からないものが、ほかの人には感じられている……それってなぜかなぁ?  と」

一般社団法人 建設職人甲子園の新理事長、石井 賢氏はこう語る。日に焼けたたくましい腕はたしかに迫力を感じさせるけれど、その語り口はいたってやさしげだ。

「建設職人甲子園」はその名のとおり、2014年にはじまった建設職人によるイベントだ。甲子園といっても、別に建設職人たちが炎天下で野球大会をやるわけではない(それはそれでガチな感じなので観てみたい気もする)。彼らが日々働く中で思うことをプレゼンテーションする大会だ。

第4回大会が4月に栃木で開催され、それを成功裡に終わらせた前理事長の任期満了に伴い、埼玉地区の理事長をつとめていた石井氏が選出された。理事経験者から選出される仕組みであり、また前理事長から熱烈なラブコールを受けたことから彼は新理事長の座に就いたのだが、「ずっとお断りしていたんです。正直、わたしは町場のペンキ屋の親父なんで」と謙虚さを崩さない。

それでも引き受けたのは、次のような想いがあるから――。

「こんなふうに声をかけていただくのも、一生のうちにあるかないかだと思ったので、自分にできることをチャレンジしてみようと。この活動に当社が救われたから、その恩返しという意味もあります。自分たちが得たものを伝える側に、しかもその最先端に立ってみようと思ったんです。町場のペンキ屋が言うからこそ、説得力もあるかなって(笑)」

「建設職人甲子園に救われた」という石井氏。いったいなにがあったのだろうか?

1
2
3
 
WRITER
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
建設転職ナビ