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建設職人甲子園理事長・石井 賢氏は問う、「あなたは自分の子どもに、職人の仕事の価値を伝えられているか?」【後編】

建設職人甲子園理事長・石井 賢氏は問う、「あなたは自分の子どもに、職人の仕事の価値を伝えられているか?」【後編】

建設職人甲子園の新理事長に就任した石井 賢氏。ひとりの塗装職人として、また経営者として、建設職人の未来になにを思い、どんなアクションを起こしていこうと考えているのか。前編はこちら

 

建設職人をいかに確保し育て上げるか

建設職人がいま抱えている不安は他にもある。そのひとつが安定性(将来性)だ。石井氏は過去と現在の違いを比較して言う。

「昔は『手取りが増えるので社会保険も年金も要らない』という人が多かったんですけれど、いまの若い子は逆にそれらが完備していなければ『生活が不安だから入りたくない』となりますよね。だからこちらもホワイトカラーと横並び以上の体制を整えないと……」

これまでなかった福利厚生を整えるのは、零細企業的な本音で言えば、なかなかキツイ話だろう。「でも、それで逆に若い子たちに選択肢のひとつとして選んでもらえるような環境は整うんだと思えば、むしろいいことなのかもしれない。その先にある“仕事の魅力”まで行く以前の問題、ですからね」と彼は言う。その想いは業界発展を謳う建設職人甲子園の参加企業の中でも共有されているのだそう。こうなるといずれ、「建設職人甲子園参加企業はすべて福利厚生完備のホワイト企業」となる日が来るかもしれない。

さて、2年目の若手から20年選手まで10名弱の社員が勤務しているというマーブルの人材育成の秘訣は?

「個々の特性を見いだしてあげることですかね。目的は一緒でも、やり方は人それぞれ変わる。うちのオフィシャルのやり方を教えて、個性はそれぞれ出てくるので、そこは大事にしたいです。どれも不正解ではないので」

女性や外国人人材にも期待していて、技能実習生をちょうど受け入れる体制をつくろうとしているのだとか。ただ、石井氏の中でも葛藤があったらしい。

「正直、お客さんの中で若い職人や外国人人材に戸惑いや不安を持つ人もいるのでは……と、ずっと自分の中で引っかかっていたんです。でも、考えてみれば、それも伝え方で解決しますよね。『当社はこの外国人技能実習生にもきちんと職業訓練をして、この現場に配属させているので、安心してください』と自信を持って伝えれば、納得して受け入れてもらえるかなと」

実はこの話には、建設職人甲子園絡みの伏線がある。初代理事長(株式会社メガステップの小山宗一郎氏)が立ち上げた職人訓練校「職人道場」で、石井氏の友人の下にいる技能実習生が仕事のイロハを学んだおかげで、か月後には第一線で活躍しているという成功例を聞いたのだ。建設職人甲子園上のつながりによって、石井氏も「外国人人材でも問題なくやっていける」という確信を得たのである。

また女性についても「私もデザイン要素の入った塗装をやっているので、それを専門でできる女性職人部隊がいたら、おもしろいなあと思ってはいるんですけれど」というので、「美大卒の女性職人が活躍している会社」を紹介すると即座に「いいですね!」。石井氏は意外とつぶらでかわいらしい瞳(←失礼)をきらきらと輝かせた。

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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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