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「働き方改革はコミュニケーション改善から」小室淑恵氏が建設パーソンに望むこと【前編】

「働き方改革はコミュニケーション改善から」小室淑恵氏が建設パーソンに望むこと【前編】

小室淑恵(こむろ・よしえ)。

日本の働き方改革に一大ムーブメントをつくったと言っても過言ではない、株式会社ワーク・ライフバランスの創業者にて代表取締役社長である。

その働き方改革のシンボリックな存在は、著書にこう書いている。

「働き方改革の最難関業種は運輸、医療、そして建設です」

名指しされた建設業界は、これからどうしていけばいいのか。

小室氏と一緒に、考えていこう。

小室氏が危惧するこれからの社会の課題

まず、尋ねてみた。現状の認識と、これからの社会がどうなっていくのかを。

「かつて、長時間労働こそが適切な戦略だった時代がありました。それによって、日本は大きな成長を遂げた。経済成長を実現させることに成功した世代が、特に大企業においてはちょうど経営の中枢にいるのが、いまの状態です」

“人口ボーナス期”と“人口オーナス期”と言葉で説明する小室氏。非常にざっくりと説明すると、前者は総人口に占める「生産年齢人口 (15歳~64歳の人口) 」が多い状態を指している。一方で後者は、生産年齢人口が減り続ける時期のこと。

戦後の経済成長は“人口ボーナス期”で説明できる、と小室氏は言う。裏を返せば、生産年齢人口が減っていけば、経済は停滞する――きわめてシンプルな話である。

「いまの日本は、もうすでに、人口オーナス期の真っただ中です。オーナス期に入ってくると、いかに多様な人材で、短い時間で勝負するかが、ビジネスに勝てるかどうかの最大の分岐点になってくる」

なぜ彼女はここまで危機感を抱いているのか。それは人間誰もが、ひとしく老いるからだ。

「これからの日本で、最大の課題は介護です。介護に関してはいままで『長時間労働、万歳!』だった40~50代の男性が一番のターゲットになる。会社としては一番多くの投資をしてきた世代に時間の制約がかかるんです。しかも育児ならば、だいたい1~2年の休みを経てから復帰しますが、介護は終わりが見えない。『働く時間は短い時間のほうがいいね』どころの話ではなく、メインストリームが短時間勤務になってくる。国全体でそうなれば、企業側は、新たに人を採ればいいという次元ではなくなります」

真剣な面持ちの小室氏。

「いかにして短い時間で、高生産性でやっていくか。従来の方法で『人が足りないから増やす』ではなく、方法そのものにメスを入れて、ドラスティックに変えないと。新しい働き方の山に飛び移らないと、いままで乗ってきた人口オーナス期の山は、沈みます」

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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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