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建設業界のイノベーター・助太刀CEOの我妻陽一氏は「『業界をぶっ壊す!』ではうまくいかない」と堅実に歩を進める【前編】

建設業界のイノベーター・助太刀CEOの我妻陽一氏は「『業界をぶっ壊す!』ではうまくいかない」と堅実に歩を進める【前編】

電気設備施工管理の仕事はおもしろかった

そんな我妻氏の経歴を見ていて、ふと違和感を覚えた。

大学では経済学部に在籍。

大学院はMBAコースを修了。

大手サブコンで施工管理を経験。

独立して電気工事会社を設立――。

家業が建設業を営んでいたわけでも、建設系の勉強をしていたわけでも、IT系の会社に籍を置いていたわけでもない。彼が革新的なIT×建設ベンチャーである助太刀を起業するに至ったきっかけが、どうにも見えなかったのだ。

「実は、ずっと起業志向は強かったんです。30歳ぐらいになると、小学校のときに埋めたタイムカプセルが送られてきますよね。あの中に入っている作文に『将来の夢:経営者』と書いてあったので、自分はブレてないなぁと思いました(笑)」

いつか起業したいという漠然とした想いは抱えつつ、「縁あって中途入社した」大手サブコンで、まずは施工管理職に就いた。ここで彼は1回目の覚醒をする。

電気施工管理の仕事って、おもしろいんですよ。病院やホテル、特高受変電設備のような数千人単位で人が動くスケールの大きい現場を請け負っていたので、やりがいはあったし、楽しかった。入社して仕事をしているうちに、誇りを持てるようになった感じですね」

現場で泊まりこみで図面を描いたり資料をつくったり――長時間労働に骨を折りながらも、働くうちに建設業へのやりがいを感じていた我妻氏。しかし、30代目前にして根っからの起業志向がむくむくと頭をもたげてきた。そんなわけで電気設備関連のノウハウを生かし、独立。当初は所属していたサブコンから仕事を請けていた。

しかし、起業10年目を迎えようとする我妻陽一(38)の頭の中を、今度は別の疑問が支配するようになる。「自分は本当に独立して、会社を経営していると言えるのか?」と。

どんな大きなゼネコンやサブコンから仕事を受注しようが、結局は“下請け”構造である。社員の給料も実入り次第なので、それを自分の意思で決められているとは言いがたい。このビジネスモデル自体に価値はあるのは分かっている。だが、これは本当に自分がやりたかった起業なのか……と悩んだ我妻氏は、ここでいきなり立教大学大学院のMBAコースに飛び込んだ。

「大学院は当時池袋に住んでいて、家が近かったので(笑)」というぐらい行き当たりばったり感が強かったものの、彼はここで「経営とはなにか」を考え直すきっかけをつかんだ。2回目の転機である。

「当時は、AirbnbやUberがアメリカの西海岸から出てきた頃です。こういう人たちがいることを知って、はじめて“スタートアップ”という言葉を知ったんです。それはもう、びっくりした」

革新的なビジネスモデルを考えて、ベンチャーキャピタルから出資を受け、彼らのネットワーク力を使い、急成長させる。そうして社会を変える。「ぼくはこれがやりたかったんだ!」と我妻氏は目覚めたのだ。

 
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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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