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101年目を迎えた髙松建設の若き社長、髙松孝年氏が思い描く建設業の未来【後編】

101年目を迎えた髙松建設の若き社長、髙松孝年氏が思い描く建設業の未来【後編】

写真/髙橋 学(アニマート)

これからの業界はどんな人材を求めるか

髙松氏としては、未来の建設業界をどんな人材に託していきたいのだろう。求める人材像を尋ねると、「責任感のある人」と即答された。

「どの職域や職階においても、責任感がなくて務まる仕事はないと思っています。責任感のあるなしでは結果に大きく差が出てくる。キャリアアップしていくために、まずは『責任感とは何か』というところから考えていただきたいですね」

さらに髙松氏いわく、「変化に対応できる柔軟な発想を持てる人」だとか。

建設は、言うまでもなくクリエイティブな仕事だ。しかし社内のデスクに張り付いていては、斬新な発想も思い浮かばない。「ひとつのものの延長上に何かをつくる発想ではとても無理です。ましてや設計のようなクリエイティブワークに携わる人は、街を歩き、見るものすべてがヒントになるぐらいの発想で、業務に取り組んでいかないと勝ち残れないと思う」と髙松氏は言う。

ふと、疑問に思う。それは、社員各々が培った自由な発想を生かせるだけの企業風土があることが大前提なのではないか? かくいう髙松氏自身は時代の変化に対応するために、社長という立場にありながらどんなことをインプット/アウトプットしているのか……? と思った矢先、彼の口から、「プロジェクションマッピング」「VR」「ドローン」「デジタルサイネージ」などという単語が次々に飛び出した。

詳細についてはここでは割愛するが、これらの最新技術が建設現場にいかに活用できるか、何を組み合わせたらどう使えるのか、さまざまな新しいアイディアを、熱量を帯びた口調で披露してくれた。

髙松氏は、建設の世界とかけ離れた位置にいるさまざまな異業種の人材と交流し、大事なポイントをインプットして、自分の引き出しにそっとしまっておく――そんな試みをかなり以前からしているらしい。10年以上ひそかに温めてきて、「そろそろ出すタイミングだな」というアイディアもあるのだとか。

これまで髙松建設は、「身の丈に合った堅実経営」を掲げ、見事に無借金経営を達成してきた。しかし、パラダイムシフトが起きようとしている現在、その方針のままで次の100年を生き残れるかは誰にも分からない。また、安定した人生を求める若者にその堅実な経営は支持される一方で、あまりに変化を好まない社風では、クリエイティブな人材に忌避されてしまうかもしれない。

髙松氏はこれまでの社風を変えていくために、自ら率先して外の空気を取り込んでいこう、という使命感を持っているように映る。

すると「なんだか会社の外を出歩く口実を言っているようですね」と冗談めかして笑い、「もちろん『過ぎたるは猶及ばざるが如し』という言葉があるし、物事には節度がある。上手にバランスをとっていこうと思っています」と自重した発言もする。

そうは言いつつも、次の一手を積極的に打っていくぞ、という明確な闘志は感じ取れた。

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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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