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ユーコーコミュニティー社長・阿部真紀氏は「女性が働きやすい職場づくり」の失敗からどう挽回したのか 【後編】

ユーコーコミュニティー社長・阿部真紀氏は「女性が働きやすい職場づくり」の失敗からどう挽回したのか 【後編】

令和時代に「飲み会大好き職場」?

さて、若い社員が多くなった職場ならではの課題、とは何か。

阿部氏は、社長ブログに「飲み会ができる会社は強い」として、現代社会における飲み会の重要性について書いている。しかしいまどきの若い人(という表現は極力したくないが)は、いわゆる「飲み二ケーション」を忌避するきらいがあるというのもよく聞く話だ。下手すればハラスメント扱いされてしまう。老婆心ながら、ユーコーコミュニティーでは大丈夫なんだろうか。

「『きょうは気分が乗らない』とか『ちょっと乗り気じゃない』という社員がいて当然だと思ってますし、それでいいと私は思います。参加してみて、結果的に『まあまあ楽しかったな』『ふだん話せない人と話せてよかった』など、ひとつぐらいプラスなことがあれば全然いいのかなと。そもそも、彼らたちが自発的に参加したいと思うような飲み会をつくることですね」と話す阿部氏。では、さらに突っ込んでみよう。

阿部氏は、男女問わず社員には“当事者意識”を強く持ってもらおうとしているという。「その子の能力や才能を発揮させるには、ある程度の困難さも必要です。自分の能力の110%ぐらい出せるところで『できた!』となる方が、本人も達成感があると思うので」と話すように、プロジェクト的な仕事であれば、「他の誰かがやってくれるだろう」という意識が芽生えないよう、メンバーの人数をあまり多くしないよう心がける。そのプロジェクトメンバーが3人であれば、一人ひとりに「あなたはこの分野担当」とミッションを与え、「あなたの代わりはいない」と意識をさせている(もちろん、負荷をかけすぎないようにフォローは欠かさない)。

しかし、「仕事を通して成長したい」と考えて、そのためにはバリバリ働くこともいとわない阿部氏や筆者のような世代と、いまの若い世代(という表現はしたくないが)とでは、職業観にズレがある可能性も……。

「たしかに、われわれが就活していた頃のマインドとは、全然違いますね。それは面接していてもひしひしと感じます(笑)。だから一方的に『自分たちはこうだった、だからこうあるべき』みたいな、『べき論』を押し付けてはダメだとは強く感じています。もう百害あって一利なしだなと。

この間も新聞記事で出ていましたが、仕事はキャリアアップや高い給与をもらうことよりも、楽しく人生を送るための手段だという認識になっているそうです。やりがいだったりチームでできるのが仕事をする上での重要な要素になっている。

だから常に勉強し、若い子たちの声に常に耳を傾けていかないと。いま現在、たくさんの入社希望者がいてくれるとはいえ、すぐにそっぽを向かれることだってありうると思っていますから。世代に合わせて自分自身が変わり続ける必要性を感じています」

そう話す阿部氏は、夏場の熱中症対策グッズを毎年テストし、飲み会や研修で「あの新商品はどうだった?」などとフィードバックを集めるなど、若い社員との情報交換を欠かさない。

それでも女性の割合が高いユーコーコミュニティー特有の課題もあるのでは?

「男性に比べたら、たしかに女性の方が体力面が弱い部分があります。夏の暑さや冬の寒さには慎重にケアしないといけないし、『現場にトイレがない問題』については、運転ができない子でも近くのコンビニにすぐ行けるよう折り畳み自転車を支給しています。身長の低い女性でも使いやすい道具を積極的にテストしてみることも……。私は常に現場に出ているわけではないので、これまでの慣習にとらわれず、常に現場から情報収集して新しいことを採り入れていくようにしています」

それでも性別にとらわれるべきではない、とする阿部氏。

「女性の体力面などにもちろん配慮は必要だと思うんですけれど……だからといって仕事面で『これは女性にしかできない』『これは男性にしかできない』と区分けをしてはいけないと思っています。昇進だって男性しか上がれないというのはまったくナンセンス。基本的に私たちの会社では男性も女性もフラットな感じですね。勤続年数が長いからといって優劣をつけるというのはない」

古い業界だからこそどうして縦社会で男社会というイメージが根づいている。だから違う風を取り入れる必要があると思う、という阿部氏に「女性にとって働きやすい職場とは、男性にとってはもっと働きやすいと言えるのでは?」と尋ねると、

「そうですね! 確かにそうだと思います(笑)。いまはたまたま“女性職人の活躍”が目新しいのでメディアに当社をクローズアップしていただいてるんですけれど、結果的にユーコーコミュニティーの全社員にとって働きがいがある会社にしていければなあ……」

性別に関わらず、人間のしあわせを願っている女性社長の姿が、そこにあった。

 
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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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