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ユーコーコミュニティー社長・阿部真紀氏は「女性が働きやすい職場づくり」の失敗からどう挽回したのか 【後編】

ユーコーコミュニティー社長・阿部真紀氏は「女性が働きやすい職場づくり」の失敗からどう挽回したのか 【後編】

いずれは銭湯絵のペイントも?

畑違いの世界からやって来てこの塗装業界に身を置いて10年あまりだが、阿部氏はいまだに「奥が深いなあ」と感じるという。とりわけ研修カリキュラムの制作現場に立ち会うと、発見が多いそうだ。「塗装で使うローラーの新品は、最初にテープを巻いて毛を抜いておくんですよ」と目を輝かせながら話してくれた。

「日常の当たり前に疑問を持つこと」「異業種をよく見ること」を常に意識しているという阿部氏。「特に『ほかの業界でできるのなら、塗装業界でもできるんじゃないか』って粘り強く追求していく姿勢は重要ですよね」と語る。

畑違いだからこそ気付くことがある。彼女の場合、建設業界や塗装業界の歴史やストーリーに敬意を表しているものの、それらが適切に発信されていないことに気付いた。特に若い人が「この世界に入りたい」と思うような情報が不足していると。情報発信が足りないから悪いイメージだけが独り歩きして、異なる分野からの人材をも遠ざけてる可能性があると――。

「私たちの会社に入ってきた人たちの理由のほとんどが、塗装をやりたかったわけでも、建設を学んだわけでもなくて、『なんだか面白そうな会社に入ったらユーコーコミュニティーだった』なんです。そのように仕事を選んで、結果として建設業で働いている人が増えているようになれば、そこに男性も女性も若い人も関係なくなっていけば……そんなことを思います」

そんな彼女が一緒に働きたいと思うのは、「逃げない人」だ。

「仕事って、時間にして人生の半分以上を占めるものですよね。人生とほぼイコールになるものだと思うので、その仕事は意義があるものにしたい。新卒であれば知識も経験もないわけで、能力があるなしはあまり関係ない。重要なのは仕事に対してどういう思いで取り組んでるか、です。だからつらいことや苦しいことも逃げずに一緒に乗り越えていける人に来てほしい。

強い人や優しい人、話がうまい人も口下手な人も、凹と凸が絡み合うようなチームになって、日本一の会社にする、業界をもっともっと変えていくというベクトルにみんなで向かっていければいいな、と思っています」

現在は外壁塗装がメインのユーコーコミュニティ―だが、今後はカフェの内装やお風呂(銭湯?)などの内装塗装にも挑戦してみたいという。また絵を描くだけではなく、彫刻などの立体物を扱ってきた美大生もいるだけに、社員の能力を余さず発揮してもらえる場をつくっていけば、それはすなわち会社の新たな事業展開にもつながっていくかもしれない。

「とにかく七転び八起きです……いまも転んでいるけれど(笑)」と謙遜するものの、塗装業界のイノベータ―・阿部真紀氏は、カラフルな才能たちとともに、夢に向かって走り続けていくに違いない。

 

編集部注:2019年8月21日、長時間労働やセクハラなどでうつ病を患ったユーコーコミュニティー新入社員2人の代理人の弁護士らが記者会見を開きました。彼女たちの訴えに対し、平塚労働基準監督署が2019年1月に、厚木平塚労働基準監督署が同7月に労災認定したことが明らかになりました。

この記事は2019年5月にユーコーコミュニティー広報に依頼し、直接取材した内容をまとめたものです。その後、上記のような事態が公となったことを誠に遺憾に思うとともに、同社の言い分を鵜呑みにし偏りがある記事としたことを深く反省いたします。ユーコーコミュニティー社が今後の労働環境改善に真摯に向き合っていただくことを切に願いつつ、当該記事は自戒的・記録的な意味合いを込めて継続掲載することといたしました。(編集部)

 
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「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部
「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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