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「みんなが建設パーソンになる社会へ」ゼムケンサービス代表・籠田淳子氏が夢見る女性活躍の“先”の景色【前編】

「みんなが建設パーソンになる社会へ」ゼムケンサービス代表・籠田淳子氏が夢見る女性活躍の“先”の景色【前編】

女性の活躍に向けてできることを

籠田氏は、建設業界で働く女性の現状をこう解説する。

「国土交通省は2014年に『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』を出し、日建連は『女性技能労働者活用のためのアクションプラン』が発表して、日本全国で10万人の女性技術者・技能者を2020年までに20万人にしようと目標を掲げました。

先日も国交省の会議に出席したところ、現段階で2万人程度増えていると聞きました。たしかにわたしの実感でも、女子学生の大企業就職がすごく増えたなあと感じています」

「しかしですね」と彼女はすこし顔を曇らせた。

「建設業界は圧倒的に中小企業が多い。そんな地方の中小企業においては、優秀な女子学生たちが採用されたという話を聞きません」

かくいう籠田氏率いるゼムケンサービスも、社員9名の小さな建設系中小企業である。特徴的なのはその社員構成で、9名中8名が女性、さらに4名が一級建築士なのだ。

同社は女性が継続的に働き、女性ならではの能力を最大限発揮するため、さまざまな取り組みを行ってきた。「JKDT(女性建築デザインチーム)」の結成、2名の主婦によるワークシェアリング、女性現場監督のマニュアル制作、社員のスキルアップ体制充実化……それは枚挙にいとまがない。

いま、働き方改革関連法施行のタイミングで、日本中の企業が重い腰をあげてようやく取り組みはじめようとしている施策を、すでに10年ほど前から実行し、しかも業績を約4倍に。そのおかげあって、内閣府の「女性のチャレンジ賞」、経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」、そして内閣府「女性が輝く先進企業」などの各賞を3年連続で受賞する偉業を成し遂げたのだ。

それでも休むことなく、次の一手を打ち続けている籠田氏。「けんちくけんせつ女学校」設立もその一環だ。地元紙は次のように報じた。

経営者らを対象にした講座は、籠田代表らが講師を務め、現場への女性用トイレや更衣室設置などハード面の整備▽急に子どもが熱を出しても休めるように一つの仕事に複数の担当者を置くなどの態勢づくり▽女性に対する言葉遣いや接し方-などを教える。社内教育の専門家なども招く。 受講企業が職場環境を整えた段階で、業界を目指す女性向け講座も開設する。受講生をインターンシップとして派遣し、現場で技術を学んでもらうほか、インターネット講義も活用。複数の専門技能を持つ「多能工」育成を目指す。半年-数年のさまざまなコースを検討している。 2019年1月7日付 西日本新聞

女性を受け入れる企業に意識改革を促す「けんちくけんせつ女学校」。この講座でも使用されるという『建築現場に立ちたい女性を応援する本 つちのこもりた』に、こんな一文が書かれている。

「女性力で、建設業界をぱーっと明るく変えたいんです!」

なんとも籠田氏らしい度胸と愛嬌を交えた表現で、業界に一石を投じているのだ。

とはいえ、女性が建設現場に入ることのリスクもあるのでは?

 
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「建設の匠」編集部
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「建設の匠」編集部の中の人。ひとりで取材したり記事を書いたり写真を撮ったりしております。ツイッターは@KensetsuTAKUMI、フェイスブックは@kensetsutakumi2018。
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