ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2018年7月26日 公開)

建設業界人材動向レポート(平成30年7月) 2018年度の建設投資見通しは57兆1,700億円、対前年度伸び率2.1%

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▼ 建設業界のトピックス

2018年度の建設投資見通しは57兆1,700億円、対前年度伸び率2.1%

国土交通省が6月29日に発表した「2018年度建設投資見通し」から建設投資の推移をまとめると、建設投資額は、リーマンショックや公共事業抑制の動きを背景に2009年度に大幅に減少しましたが、その後2011年度以降は東日本大震災の復興需要、景気回復による設備投資の増加、東京オリンピック関連の建設需要などの影響により増加基調が続いています(=図表①)。 2018年度についても、前年度比で2.1%伸びて57兆1,700億円になると予測されており、伸び率は2016年度の5.1%、2017年度の4.6%には及ばないものの、堅調に推移すると見込まれています。

【図表① 建設投資額の推移】 建設投資額の推移 出典:国土交通省「2018年度建設投資見通し」より作成

民間建設投資が建設市場を牽引

直近3年間の建設投資額の推移の内訳を見ると、2018年度の政府土木投資は20兆2,900億円(前年度比0.1%増)と伸び悩みました。 一方、民間建築投資は28兆3,400億円(同2.6%増)、民間土木投資は5兆7,700億円(同7.4%増)と堅調に伸びており、民間の建設投資が市場全体を牽引していると言えます(=図表②)。

【図表② 建設投資額の内訳推移】 建設投資額の内訳推移 出典:国土交通省「2018年度建設投資見通し」より作成


▼ 2018年5月の建設業界の雇用関連データ(2018年6月29日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は494万人(前年同月比100.2%)、5カ月連続で前年同月を上回った

建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は70,292人(前年同月比108.3%)と22カ月連続で前年同月を上回り、建設業界における人材需要は活発な状況が続いている

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》 建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.46ポイント上昇して5.35倍となった。36カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.16ポイント上昇して7.05倍となり、今後も暫くは厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比104.7%と30カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆有効求職者数は前年同月比95.7%となり減少傾向が続いているが、新規求職者数は同101.5%と増加に転じた。
◆充足率は前年同月比で1.4ポイント向上して5.3%となり、やや改善された。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》 公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート) 《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート)》 公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.90ポイント上昇の4.63倍となった。37カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比1.17ポイント上昇して5.86倍となり、今後、人手不足の状況は更に厳しくなりそうである。
◆有効求人数は前年同月比107.5%と29カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は前年同月比86.5%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は8.7%で前年同月より2.2ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》 公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート) 《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年5月の雇用関連データのまとめ(2018年6月29日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに4か月連続で100万人以上の大幅増
就業者数は6,698万人(前年同月比151万人増)、雇用者数は5,931万人(同135万人増)となり、どちらも65ヶ月連続で前年同月を上回った。
就業者数、雇用者数ともに4か月連続で100万人以上の大幅な増加であり、雇用環境は更に向上していると考えられる。

◆完全失業率は前月より0.3ポイント低下して2.2%
完全失業率(季節調整値)前月より0.3ポイント低下して2.2%となり、1992年10月以来25年7カ月ぶりの低水準となった。
完全失業者数は158万人(前年同月比52万人減少)で、96カ月連続で前年同月を下回った。

《主要雇用環境指標の推移》 図表④ 主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》 図表④ 主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは「宿泊業・飲食サービス業」
就業者数が最も増加したのは先月に続いて「宿泊業・飲食サービス業」であり、対前年同月比21万人の増加となった。次いで「情報通信業」「医療・福祉」が同14万人の増加となった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》 図表④ 主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は42カ月連続で前年同月を上回り3,511万人となる
正規の職員・従業員数は3,511万人(前年同月比74万人増)となり42ヶ月連続で前年同月を上回った。
非正規の職員・従業員数は2,079万人(同76万人増)となり、非正規社員の比率は37.2%で前年同月より0.4ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》 図表④ 主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆完全失業率(季節調整値)は「25歳~34歳の男性」で最も改善
男性の完全失業率は前月より0.4ポイント低下して2.4%、女性の完全失業率も前月より0.1ポイント低下して2.0%となり、男女ともに改善された。 年齢層別・男女別に完全失業率を見ると、最も大幅な改善となったのは「25歳~34歳の男性」であり、完全失業率は前月より1.1ポイント低下して2.4%となった。次いで、「55歳~64の男性」が前年より0.7ポイント低下して1.9%となっている。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》 図表④ 主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」の減少傾向が続く
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が22万人で前年同月比7万人の減少となり、64カ月連続で前年同月を下回った。 また、自発的な離職(自己都合)は64万人で同27万人減の大幅な減少となった。

《求職理由別完全失業者数の推移》 求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.60倍
公共職業安定所(ハローワーク)における有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.01ポイント上昇して1.60倍となった。
先行指標となる新規求人倍率(季節調整値)は2.34倍で、前月と比べて0.03ポイント低下した。
また、正社員の有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.10倍となり、3か月連続の上昇となった。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》 求職理由別完全失業者数の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.13ポイント上昇して1.96倍となり、専門職・技術職の人材不足の状況が続いている
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、前年同月比で0.90ポイント上昇して4.63倍となった
◆次いで、「建築・土木・測量技術者」が前年同月比で0.46ポイント上昇して5.35倍となった
◆専門的・技術的職業の中でも、特に建設関連の技術者、建設技能工等の人材需給が逼迫してきている

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》 職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の対前年同月比》 職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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