ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2018年8月23日 公開) 建設業界人材動向レポート(平成30年8月) 「働き方改革」で建設業界はどう変わるのか?―残業上限規制が2024年4月から建設業にも適用

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▼ 建設業界のトピックス

【解説】「働き方改革」で建設業界はどう変わるのか?―残業上限規制が2024年4月から建設業にも適用

6月29日に成立した「働き方改革関連法」は、建設業界の労働環境にも大きな影響を与えそうです。
この法律の施行によって、現状は36〈サブロク〉協定を結ぶことで事実上青天井になっている残業時間に、初めて法的な強制力のある規制が設けられます。具体的には、残業時間の上限を、原則月45時間かつ年360時間以内、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満と定め、違反企業には罰則が科されるようになります。この規制は、今までは残業時間規制の対象外であった建設業についても5年間の猶予期間の後、2024年4月1日から適用されます。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、建設業における常用労働者1人当たりの年間実労働時間は、製造業や情報通信業を上回って推移し、時間短縮も進んでいません(=図表①)。
このような実態を踏まえると、働き方改革の取り組みは、建設業各社にとって非常に重要かつ緊急な課題であり、2024年を見据えて早急に対策を実行することが望まれます。

【図表① 年間実労働時間の推移】 図表:年間実労働時間の推移 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より


▼ 2018年6月の建設業界の雇用関連データ(2018年7月31日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は513万人(前年同月比101.8%)となり、6カ月連続で増加

図表:建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は74,052人(前年同月比104.2%)と23カ月連続で前年同月を上回り、建設業界における人材需要は活発な状況が続いている

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》 図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.44ポイント上昇して5.61倍となった。37カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.68ポイント上昇して8.77倍となっており、東京オリンピック関連の工事に加えて豪雨等の災害復旧も必要であり、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い
◆有効求人数は前年同月比104.9%と31カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている
◆有効求職者数は前年同月比96.7%、新規求職者も同95.5%と減少した
◆充足率は前年同月比で0.6ポイント低下して4.8%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート) 《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の対前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.93ポイント上昇の4.85倍となった。38カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比1.39ポイント上昇して6.82倍となり、東京オリンピック関連の工事に加えて豪雨等の災害復旧も必要であり、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い
◆有効求人数は前年同月比106.2%と30カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は前年同月比85.9%となり、長期的に減少傾向が続いている
◆充足率は8.1%で前年同月より2.0ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート) 《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年6月の雇用関連データのまとめ(2018年7月31日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに大幅増で、ともに66カ月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,687万人(前年同月比104万人増)、雇用者数は5,940万人(同92万人増)となり、どちらも66ヶ月連続で前年同月を上回った。
就業者数は5か月連続で100万人以上の大幅な増加であり、雇用環境は更に向上していると考えられる。

◆完全失業率は前月より0.2ポイント上昇して2.4%
完全失業者数は168万人(前年同月比24万人減少)で、97カ月連続で前年同月を下回った。
完全失業率(季節調整値)は前月より0.2ポイント上昇して2.4%となった。

《主要雇用環境指標の推移》 図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》 図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは前月に引き続き「宿泊業・飲食サービス業」
就業者数が最も増加したのは先月に続いて「宿泊業・飲食サービス業」であり、前年同月比17万人の増加となった。次いで「製造業」が同12万人の増加となった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》 図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は43カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,501万人(前年同月比44万人増)となり43ヶ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。
非正規の職員・従業員数は2,102万人(同76万人増)となり、非正規社員の比率は37.5%で前年同月より0.3ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》 図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆完全失業率(季節調整値)は前月に引き続き「25歳~34歳の男性」で最も改善
完全失業者数は、男性は「35歳~44歳」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べて減少、女性は「25歳から34歳」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べて減少した。
完全失業率(季節調整値)は、「25歳~34歳の男性」が対前月1.1ポイント低下して2.8%となり、前月に引き続いて最も大幅な改善になった。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》 図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」の減少傾向が続く
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が23万人で対前年同月比5万人の減少となり、65カ月連続で前年同月を下回った。
また、自発的な離職(自己都合)は69万人で同12万人の減少となった。

《求職理由別完全失業者数の推移》 図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は前月より0.02ポイント上昇して1.62倍
公共職業安定所(ハローワーク)における有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.02ポイント上昇して1.62倍となった。
先行指標となる新規求人倍率(季節調整値)は2.47倍で、前月と比べて0.13ポイント上昇しており、今後も人材需給は逼迫した状況が続くと考えられる。
正社員の有効求人倍率も前月より0.03ポイント上昇して1.13倍となり、4か月連続の上昇となった。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》 図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.15ポイント上昇して2.09倍となり、専門職・技術職の人材不足の状況が続いている
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、対前年同月比で0.93ポイント上昇して4.85倍となった
◆次いで、「建築・土木・測量技術者」が対前年同月比で0.44ポイント上昇して5.61倍となった
◆専門的・技術的職業の中でも、特に建設関連の技術者、建設技能工等の人材需給が逼迫した状況が続いている

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》 図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の対前年同月比》 図表:職業別有効求人倍率(除パート)の対前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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