ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2018年11月27日 公開)

建設業界人材動向レポート(平成30年11月) ICT活用施工、経験した技術者は8%も、5割超は関心あり

ヒューマンタッチ総研レポートでは、建設業に特化して人材関連の様々な情報、最新の雇用関連データを月に1回のペースで発信していきます。ご愛読いただければ幸いです。


▼ 建設業界のトピックス

今月は、ヒューマンタッチ総研が実施した、「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果から、ICTを活用した施工(BIM:Building Information ModelingやCIM:Construction Information Modelingの導入、ドローンによる3次元測量、ICT建機の活用等)の実施経験の有無と関心度合いについての結果を紹介します。

ICT活用施工、経験した技術者は8%も、5割超は関心あり

ICTを活用した施工を経験したことがあると回答した建設技術者は8.0%で、まだまだ少ないとの結果になりました(=図表①)。これに対し、ICTを活用した施工への関心度合いについては、「非常に関心がある」(27.6%)、「関心がある」(28.7%)と、合計56.3%の建設技術者が関心をもっているという結果になりました(=図表②)。生産性向上へ向けてICTを活用した施工を導入することの重要性が高まる中、建設技術者においても関心は高まっているようです。

【図表① ICTを活用した施工を経験したことがあるか】図表① ICTを活用した施工を経験したことがあるか

【図表② ICTを活用した施工に建設技術者として関心があるか】図表② ICTを活用した施工に建設技術者として関心があるか

<調査概要> ・調査期間:2018年5月~6月
・調査対象:当社に登録している建設技術者
・回答数:275人
・調査手法:インターネットによるアンケート調査

▼ 2018年9月の建設業界の雇用関連データ(2018年10月30日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は518万人(前年同月比103.6%)となり、9カ月連続で前年同月を上回った

《建設業の就業者数と雇用者数の推移》建設業の就業者数と雇用者数の推移 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は72,364人(前年同月比99.9%)と2016年7月以来25カ月ぶりに前年同月を下回った。

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.52ポイント上昇して6.40倍となり、専門的・技術的職業の中で最も高い倍率となっている。
◆有効求人倍率は40カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.84ポイント上昇して9.93倍となっており、東京オリンピック関連の工事に加えて集中豪雨や台風等の災害復旧もあり、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比100.3%と32カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆新規求人数は前年同月比97.5%と前月に引き続いて前年割れでとなっており、建設技術者への求人増はやや沈静化してきていると思われる。
◆充足率は前年同月比で0.5ポイント低下して4.2%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.92ポイント上昇の5.30倍となった。41カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比1.59ポイント上昇して7.83倍となり、東京オリンピック関連の工事に加えて豪雨や台風等の災害復旧もあり、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比104.7%と33カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は前年同月比86.5%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は6.9%で前年同月より1.7ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年9月の雇用関連データのまとめ(2018年10月30日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに大幅増で、ともに69か月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,715万人(前年同月比119万人増)、雇用者数は5,966万人(同100万人増)となり、どちらも69ヶ月連続で前年同月を上回り、雇用環境は改善傾向が続いている。
◆完全失業率は前月より0.1ポイント低下して2.3%
完全失業者数は162万人(前年同月比28万人減少)で、100カ月連続で前年同月を下回った。完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低下して2.3%となった。

《主要雇用環境指標の推移》図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは「宿泊業・飲食サービス業」
就業者数が最も増加したのは「宿泊業・飲食サービス業」であり、前年同月比33万人の増加となった。次いで「学術研究/専門・技術サービス業」が同22万人の増加となった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は46カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,490万人(前年同月比7万人増)であり、46ヶ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。非正規の職員・従業員数は2,143万人(同115万人増)と大幅な増加となり、非正規社員の比率は38.0%で前年同月より1.2ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆男性の完全失業者数は「65歳以上」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べて減少
完全失業者数を男女別・年齢層別に見ると、男性は「65歳以上」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べて減少、女性は「25歳から34歳」「65歳以上」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べて減少した。
完全失業率(季節調整値)は、「15歳~24歳」で対前月0.7ポイント低下して3.4%となり、最も大幅な改善となった。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「自発的な離職(自己都合)」が大幅に減少
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が21万人で対前年同月比10万人の減少となり、68カ月連続で前年同月を下回った。また、自発的な離職(自己都合)は75万人で同13万人の減少となった。

《求職理由別完全失業者数の推移》図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.64倍
公共職業安定所(ハローワーク)における有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.01ポイント上昇して1.64倍となり、1974年1月以来の高水準になった。
正社員の有効求人倍率は1.14倍(前月よりも0.01ポイント上昇)で過去最高となった。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.12ポイント上昇して2.25倍となり、専門職・技術職の人材不足の状況が続いている。
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、前年同月比で0.92ポイント上昇して5.30倍となり、次いで、「建築・土木・測量技術者」が前年同月比で0.52ポイント上昇して6.40倍となった。

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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