ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2019年1月29日 公開) 建設業界人材動向レポート(平成31年1月) 建設技術者、「東北」で大幅増、「中国」「四国」「九州」は55歳以上割合高く、人手不足に懸念

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▼ 建設業界のトピックス

 公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率(2018年11月)は、現在の職業分類になった2012年3月以降で最大の6.78倍に達しています。今回は、かつてないレベルの人手不足に陥っている建設技術者について、総務省統計局の「国勢調査」のデータから、地域による違いを把握したいと思います。

建設技術者、「東北」で大幅増、「中国」「四国」「九州」は55歳以上割合高く、人手不足に懸念

 2010年から2015年までの5年間で、建設技術者は全国で3.6%増加しました(=図表①)。一方、増減率を地域別に比較してみると、最も増加しているのは「東北」(25.4%増)となり、以下「北陸」(7.3%増)、「南関東」(4.6%増)の順に続きました。増加の大きな要因としては、東日本大震災からの復興需要、北陸新幹線、東京オリンピック等の工事需要の増加が考えられます。
 一方、「中国」(2.8%減)、「北関東」(2.1%減)、「九州」(1.7%減)、「北海道」(1.2%減)の4地域では減少しました。

【図表① 建設技術者の増減率(地域別:2015年/2010年)】図表① 地域別 建設技術者の増減率出典:総務省統計局「国勢調査」より作成

 次に、55歳以上の建設技術者の割合を地域別に見ると、55歳以上の割合が最も高いのは「四国」(40.4%)、次いで、「九州」(38.1%)、「中国」(37.7%)となり、全国平均の35.2%を上回っています。一方、最も割合が低いのは「東海」(32.3%)、次いで、「北陸」(33.1%)でした。55歳以上の割合が高い地域では、定年等で退職する建設技術者が増えることから、人手不足に陥る危険性がさらに高くなると考えられます。

【図表② 55歳以上の建設技術者の割合(地域別)】図表② 地域別 55歳以上の建設技術者の割合出典:総務省統計局「国勢調査」より作成

 このように、建設技術者の増減率や、年齢構成については、地域によって大きく異なっていることが分かりました。建設技術者を雇用する企業としては、全国一律のデータのみを用いて意思決定するのではなく、各地域のおかれている実情を鑑みた経営判断がこれまで以上に求められそうです。


▼ 2018年11月の建設業界の雇用関連データ(2018年12月26日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は502万人(前年同月比101.2%)となり、再び増加に転じる。

《建設業の就業者数と雇用者数の推移》建設業の就業者数と雇用者数の推移 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は69,755人(前年同月比107.6%)と、2カ月連続で増加した。

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は69,755人(前年同月比107.6%)と、2カ月連続で増加した。
◆有効求人倍率は42カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.46ポイント上昇して9.60倍となっており、東京オリンピック・パラリンピック関連の工事に加えて、道路や橋梁等の改修工事等も年度末に向けて増加すると考えられることから、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比103.9%と34カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆新規求人数は前年同月比100.0%と高水準を維持しており、年末に向けても建設技術者への求人意欲は衰えることはなさそうである。
◆充足率は対前年同月比で0.4ポイント低下して4.1%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている。

*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.83ポイント上昇の5.69倍となった。43カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比1.26ポイント上昇して7.72倍となり、東京オリンピック・パラリンピック関連の工事に加えて、道路や橋梁等の改修工事等も年度末に向けて増加すると考えられることから、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比104.9%と35カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は対前年同月比89.6%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は7.6%で前年同月より1.3ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。

*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年11月の雇用関連データのまとめ(2018年12月26日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに大幅増で、ともに71カ月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,709万人(前年同月比157万人増)、雇用者数は5,983万人(同118万人増)となり、ともに大幅増となった。どちらも71カ月連続で前年同月を上回っており、雇用環境は改善傾向が続いている。

◆完全失業率は前月より0.1ポイント上昇して2.4%
完全失業者数は168万人(前年同月比10万人減少)で、102カ月連続で前年同月を下回った。完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント上昇して2.5%となった。

《主要雇用環境指標の推移》図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは「医療・福祉」
就業者数が最も増加したのは「医療・福祉」であり、前年同月比38万人の増加となった。次いで「宿泊業・飲食サービス業」が同34万人の増加となった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は48カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,519万人(前年同月比63万人増)であり、48カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。非正規の職員・従業員数は2,142万人(同81万人増)となり、非正規社員の比率は37.8%で前年同月より0.4ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「25歳~34歳の女性」の完全失業率が最も上昇
完全失業者数を男女別・年齢層別に見ると、最も増加しているのは「25歳~34歳の女性」であり、前年同月比で4万人増加した。また、完全失業率が最も上昇したのも同じく「25歳~34歳の女性」であり、前年同月比で0.8ポイント上昇して3.9%となった。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」が大幅に減少
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が前年同月比6万人減の減少となり、70カ月連続で前年同月を下回った。また、自発的な離職(自己都合)は71万人で同2万人の増加となった。

《求職理由別完全失業者数の推移》図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.63倍
公共職業安定所(ハローワーク)における有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.01ポイント上昇して1.63倍となり、人材確保が難しい状況が続いている。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.10ポイント上昇して2.38倍となり、専門職・技術職の人材不足の状況が続いている。
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、前年同月比で0.83ポイント上昇して5.69倍となり、次いで、「建築・土木・測量技術者」が前年同月比で0.40ポイント上昇して6.78倍となった。
◆最も有効求人倍率が低下したのは「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」であり、前年同月比で1.23ポイント低下して5.54倍となった。

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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