ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2019年2月26日 公開)

建設業界人材動向レポート(平成31年2月) 2018年、建設技術者の有効求人倍率は過去最高の6.18倍に

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▼ 建設業界のトピックス

 厚生労働省の「一般職業紹介状況」の2018年次のデータが公表されましたので、その中から建設技術者に関する動向をまとめました。

2018年、建設技術者の有効求人倍率は過去最高の6.18倍に

 厚生労働省が2月1日に発表した「一般職業紹介状況」によると、2018年の建設技術者(建築・土木・測量技術者)の有効求人数は688,095人に上り、直近の底だった2015年(585,111人)に比べて17.6%増えたことが分かりました(=図表①)。
 このように建設技術者への需要は高まる一方、18年の有効求職者数は111,403人となり、14年(154,687人)比で28.0%減少しています。その結果、有効求人倍率は、18年平均で6.18倍に達し、年間平均として初めて6倍を超えました。これは、現在の職業分類で統計の集計を開始した01年以降の最高値であり、12の職種から構成される専門的・技術的職業の中で最も高い倍率です。まさに、建設技術者は日本で最も人材を確保することが難しい職種になったと言えます。
 次に、有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率の月別の推移を見ると、17年12月に初めて10倍台に突入した新規求人倍率は、18年についてもすべての月で、前年同月を上回り、18年12月には10.81倍に達しました。
 こうした状況などを踏まえると、建設業各社では、19年についても深刻な建設技術者不足が続くことが懸念されます。

【図表① 建設技術者の有効求人倍率・有効求人数・有効求職者数の推移】図表① 建設技術者の有効求人倍率・有効求人数・有効求職者数の推移出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年12月の建設業界の雇用関連データ(2019年2月1日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は482万人(前年同月比97.6%)となり、前年同月比で18年10月以来の減少となった。

《建設業の就業者数と雇用者数の推移》建設業の就業者数と雇用者数の推移 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は64,114人(前年同月比100.3%)となり、3カ月連続で前年同月を上回った。

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.40ポイント上昇して7.06倍となり、専門的・技術的職業の中で最も高い倍率となっている。
◆有効求人倍率は43カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人数は前年同月比103.5%と35カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、新規求人数は前年同月比97.3%と前年割れとなったが、新規求人数も前年同月比96.2%に落ち込んだことから、新規求人倍率は対前年同月比0.13ポイント上昇して10.81倍となった。
◆充足率は対前年同月比で0.4ポイント低下して3.8%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている。

*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.83ポイント上昇の5.76倍となった。44カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比1.07ポイント上昇して7.92倍となり、東京オリンピック・パラリンピック関連の工事に加えて、道路や橋梁等の改修工事等も年度末に向けて増加すると考えられることから、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比104.9%と36カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は前年同月比89.8%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は6.8%で前年同月より0.9ポイント低下しており、公共職業安定所(ハローワーク)で建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。

*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2018年12月の雇用関連データのまとめ(2019年2月1日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに大幅増で、ともに72カ月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,656万人(前年同月比114万人増)、雇用者数は5,963万人(同100万人増)となり、ともに大幅増となった。どちらも72カ月連続で前年同月を上回っており、雇用環境は改善傾向が続いている。

◆完全失業率は前月より0.1ポイント低下して2.4%
完全失業者数は159万人(前年同月比15万人減少)で、103カ月連続で前年同月を下回った。完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低下して2.4%となった。

《主要雇用環境指標の推移》図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も減少したのは「建設業」
就業者数が最も減少したのは「建設業」であり、前年同月比12万人の減少となった。一方、最も増加したのは「宿泊業・飲食サービス業」であり、前年同月比19万人の増加となった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は49カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,478万人(前年同月比37万人増)であり、49ヶ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。非正規の職員・従業員数は2,156万人(同75万人増)となり、非正規社員の比率は38.3%で前年同月より0.6ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「15歳~24歳の男性」の完全失業率が最も低下
完全失業率を男女別・年齢層別に見ると、最も低下しているのは「15歳~24歳の男性」であり、前年同月比で0.5ポイント低下して3.5%となった。また、完全失業者数が最も減少したのは「15歳~24歳の女性」であり、前年同月比で5万人減少して8万人となった。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」の減少傾向が続く
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が前年同月比10万人減の減少となり、71カ月連続で前年同月を下回った。また、自発的な離職(自己都合)は73万人で同2万人の減少となった。

《求職理由別完全失業者数の推移》図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は1.63倍で前月と同水準
公共職業安定所(ハローワーク)における有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同水準で1.63倍となり、人材確保が難しい状況が続いている。有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して2.41ポイントとなった。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.07ポイント上昇して2.50倍となり、専門職・技術職の人材不足が続いている。
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、前年同月比で0.83ポイント上昇して5.76倍となり、次いで、「建築・土木・測量技術者」が同0.40ポイント上昇して7.06倍となった。
◆最も有効求人倍率が低下したのは「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」であり、前年同月比で1.40ポイント低下して5.84倍となった。

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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