ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2019年5月29日 公開)

建設業界人材動向レポート(2019年5月) 建設業の給与額は 6 年連続で増加、2015年以降は製造業を上回る

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▼ 建設業界のトピックス

今月は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」から、建設業の給与額と労働時間の推移について、製造業及び情報通信業と比較しながらご紹介します。

建設業の給与額は 6 年連続で増加、2015年以降は製造業を上回る

厚生労働省の「毎月勤労統計調査(2018年結果確報)」から、常用労働者(パート含む)の平均月間現金給与額を見ると、2018年の建設業の給与額は405,221円となり、直近の底である12年の365,415円から6年連続での増加となりました(=図表①)。6年間で約4万円増加しており、15年以降は製造業を上回って推移しています。
また、02年と比べた給与額の伸び率を他業種と比較すると、建設業が13.9%、製造業が7.8%、情報通信業が3.4%となっており、建設業の給与水準は長期的に見ても他業種より改善が進んでいることが分かりました。

【図表① 常用労働者1人平均月間現金給与額の推移】図表① 常用労働者1人平均月間現金給与額の推移出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

建設業の年間実労働時間は情報通信業より168時間長い

次に、常用労働者(パート含む)の平均年間実労働時間の推移を見ると、建設業では、東日本大震災の復興工事への対応などを背景に11年(2,042時間)以降は上昇が続きましたが、14年(2,078時間)をピークに減少に転じ、18年には2,041時間まで減少しました(=図表②)。
しかし、2018年時点においても、情報通信業の1,873時間と比べると168時間、製造業の1,962時間と比べても79時間それぞれ長く、今後においても、長時間労働の改善は建設業の大きな課題となりそうです。

【図表② 常用労働者1人の年間実労働時間の推移】図表② 常用労働者1人の年間実労働時間の推移出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成


▼ 2019年3月の建設業界の雇用関連データ(2019年4月26日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は 509 万人(前年同月比 101.6%)となり、4 カ月ぶりに前年同月を上回った。

《建設業の就業者数と雇用者数の推移》建設業の就業者数と雇用者数の推移 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(以下:ハローワーク)における新規求人数は 72,144 人(前年同月比 98.3%)と減少に転じる。

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は対前年同月比0.40 ポイント上昇して 6.51 倍となり、専門的・技術的職業の中で最も高い倍率となっている。
◆有効求人倍率は 46 カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人数は対前年同月比 102.0%と 38 カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、対前年同月比 0.61 ポイント上昇して 8.17 倍となった。今後も厳しい人材不足が続きそうである。
◆充足率は対前年同月比で 0.1 ポイント低下して 4.9%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、対前年同月比 0.69 ポイント上昇して5.37 倍となった。47 カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は対前年同月比 0.93 ポイント上昇して 6.48 倍となった。東京オリンピック・パラリンピック関連の工事が最後の追込みに入ることから、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は対前年同月比 104.2%と 39 カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は対前年同月比 90.8%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は前年同月より 0.3 ポイントダウンして 7.6%となり、ハローワークで建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2019年3月の雇用関連データのまとめ(2019年4月26日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに 75 か月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,687万人(対前年同月比67万人増)、雇用者数は5,948万人(同76万人増)となり、ともに75ヶ月連続で前年同月を上回った。雇用環境は改善傾向が続いている。

◆完全失業者数は1万人の増加、完全失業率は前月より0.2ポイント上昇して2.5%となる
完全失業者数は対前年同月比1万人増加して174万人、完全失業率(季節調整値)は前月より0.2ポイント上昇して2.5%となり、やや悪化した。

《主要雇用環境指標の推移》図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは医療・福祉
就業者数が最も増加したのは医療・福祉であり、対前年同月比4.9%増で838万人となった。建設業は同1.6%増で509万人であった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は52カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,439万人(対前年同月比22万人増)であり、52ヶ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。非正規の職員・従業員数は2,176万人(同65万人増)となり、非正規社員の比率は38.7%で前年同月より0.5ポイント上昇した。

《雇用形態別雇用者数の推移》図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆完全失業率が最も上昇している年齢層は「25歳~34歳」
完全失業率を男女別・年齢層別に見ると、最も完全失業率が上昇しているのは「25歳~34歳の男性」と「25歳~34歳の女性」であり、ともに対前年同月比で0.6ポイント上昇している。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」が減少に転じる
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が対前年同月比3万人減の19万人となり、再び減少に転じた。

《求職理由別完全失業者数の推移》図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は1.63倍で前月と同水準
ハローワークにおける有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同水準で1.63倍となり、人材確保が難しい状況が続いている。正社員の有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.16倍となり、正社員の人材不足も高まりつつある。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆公共職業安定所(ハローワーク)における専門的・技術的職業の有効求人倍率は対前年同月比0.09ポイント上昇して2.24倍となった。
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、対前年同月比で0.69ポイント上昇して5.37倍となり、次いで「建築・土木・測量技術者」が同0.40ポイント上昇して6.51倍となった。
◆最も有効求人倍率が低下したのは「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」であり、対前年同月比で0.56ポイント低下して5.94倍となった。

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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