ヒューマンタッチ総研独自分析月次レポート(2019年6月26日 公開) 建設業界人材動向レポート(2019年6月) 建設業では 6 年連続で入職者が離職者を上回る

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▼ 建設業界のトピックス

今月は、5月22日に公表された厚生労働省「雇用動向調査」の2017年の結果から、建設業の入職・離職の動向についてご紹介します。

建設業では6年連続で入職者が離職者を上回る

建設業における2017年の入職率(常用労働者数に対する入職者数の割合)は9.0%、離職率(常用労働者数に対する離職者数の割合)は8.4%であり、入職超過率(入職率から離職率を引いた数値)は0.6%となりました。
入職超過率は2000年から2011年までは、建設投資の大幅な減少を背景にマイナスで推移し、離職者が入職者を上回る状況が続きました。しかし、2012年以降は建設投資の回復を背景に6年連続で入職超過率はプラスとなり、入職者が離職者を上回る状況が続いています(⇒図表①)。

【図表① 建設業の入職率・離職率・入職超過率の推移】図表① 建設業の入職率・離職率・入職超過率の推移出典:厚生労働省「雇用動向調査」より作成

定年で離職する人の割合が高い

次に、離職理由別の離職者数の割合を見ると、建設業は定年による離職者の割合が16%で、全産業平均の7%、製造業の8.9%と比較して際立って高くなっています(⇒図表②)。
2018年の労働力調査の結果によると、建設業就業者では55歳以上の割合が34.8%と非常に高くなっており(製造業は25.5%)、今後、必要な人材数を確保するためにはシニア層の活用がキーポイントになると考えられます。

【図表② 建設業の離職理由別離職者の割合】図表② 建設業の離職理由別離職者の割合出典:厚生労働省「雇用動向調査」より作成


▼ 2019年4月の建設業界の雇用関連データ(2019年5月31日公表)

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆就業者数は503万人(前年同月比99.8%)と僅かに減少した。

《建設業の就業者数と雇用者数の推移》建設業の就業者数と雇用者数の推移 出典:総務省「労働力調査」より作成

◆公共職業安定所(以下:ハローワーク)における新規求人数は74,997人(前年同月比105.8%)と増加に転じる

《建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)》図表:建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(2)建設技術職の雇用動向

◆ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月比0.44ポイント上昇して5.91倍となり、専門的・技術的職業の中で最も高い倍率となっている。
◆有効求人倍率は47カ月連続で前年同月を上回っており、厳しい人手不足の状況は長期化している。
◆有効求人数は前年同月比102.1%と39カ月連続で前年同月を上回り、建設技術者への人材需要は高水準が続いている。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率を見ると、前年同月比0.76ポイント上昇して6.10倍となった。今後も厳しい人材不足が続きそうである。
◆充足率は前年同月比で0.5ポイント低下して4.5%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)建設技能工の雇用動向

◆ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.63ポイント上昇して5.21倍となった。48カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工についても厳しい人手不足の状況が長期化している。
◆有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は前年同月比0.88ポイント上昇して6.03倍となった。東京オリンピック・パラリンピック関連の工事が最後の追込みに入ることから、今後も厳しい人手不足の状況が続く可能性が高い。
◆有効求人数は前年同月比103.9%と40カ月連続で前年同月を上回り、建設技能工への需要は高水準が続いている。一方、有効求職者数は前年同月比91.4%となり、長期的に減少傾向が続いている。
◆充足率は前年同月より0.9ポイントダウンして7.6%となり、ハローワークで建設技能工を採用するのは非常に困難な状況が続いている。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100 (%)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)》図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)

《公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)》 図表:公共職業安定所(ハローワーク)における建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


▼ 2019年4月の雇用関連データのまとめ(2019年5月31日公表)

(1)主要な雇用環境指標の推移

◆就業者数、雇用者数ともに76カ月連続で前年同月を上回る
就業者数は6,708万人(前年同月比37万人増)、雇用者数は5,959万人(同43万人増)となり、ともに76カ月連続で前年同月を上回った。雇用環境は改善傾向が続いている。

◆完全失業者数は4万人の減少、完全失業率は前月より0.1ポイント低下して2.4%となる
完全失業者数は前年同月比4万人減少して176万人、完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低下して2.4%となった。

《主要雇用環境指標の推移》図表:主要雇用環境指標の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

《参考:主要雇用環境指標の年平均値の推移》図表:参考/主要雇用環境指標の年平均値の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆就業者数が最も増加したのは教育・学習支援業
就業者数が最も増加したのは教育・学習支援業であり、前年同月比5.5%増で326万人となった。建設業は同0.2%減で503万人であった。

《主要産業別の就業者数・雇用者数》図表:主要産業別の就業者数・雇用者数 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆正規社員数は52カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続く
正規の職員・従業員数は3,500万人(前年同月比33万人増)であり、53カ月連続で前年同月を上回り、増加傾向が続いている。非正規の職員・従業員数は2,116万人(同12万人増)となり、非正規社員の比率は37.7%で前年同月より0.1ポイント低下した。

《雇用形態別雇用者数の推移》図表:雇用形態別雇用者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆完全失業率が最も上昇しているのは「15歳~24歳の女性」
完全失業率を男女別・年齢層別に見ると、最も完全失業率が上昇しているのは「15歳~24歳の女性」であり、前年同月比で0.4ポイント上昇している。

《年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率》図表:年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率 出典:総務省統計局 労働力調査より作成

◆「勤め先や事業の都合による離職」が減少に転じる
完全失業者を求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が対前年同月比4万人減の21万人となり2カ月連続で減少した。

《求職理由別完全失業者数の推移》図表:求職理由別完全失業者数の推移 出典:総務省統計局 労働力調査より作成


(2)有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

◆有効求人倍率は1.63倍で前月と同水準
ハローワークにおける有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同水準で1.63倍となり、人材確保が難しい状況が続いている。正社員の有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.16倍となり、正社員の人材不足も高まりつつある。

《有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移》図表:有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成


(3)職業別有効求人倍率の推移

◆ハローワークにおける専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月比0.08ポイント上昇して2.04倍となった。
◆最も有効求人倍率が上昇したのは「建設・採掘の職業」であり、前年同月比で0.63ポイント上昇して5.21倍となり、次いで、「建築・土木・測量技術者」が同0.44ポイント上昇して5.91倍となった。
◆最も有効求人倍率が低下したのは「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」であり、前年同月比で0.88ポイント低下して4.86倍となった。

《職業別有効求人倍率(除パート)の推移》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の推移 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

《職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比》図表:職業別有効求人倍率(除パート)の前年同月比 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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